第36話

「てめぇら程程にしろよー。制限時間5分!スタート!」



おにぎりさんの声で全員が棒争奪戦を始めた。

お互い2本は確保して、守りと攻めとラスト一本を取り合う陣営になった。

麟太郎たちが攻めに行き、私たちはラスト一本を引っ張りあっていた────はずだった。



「八雲ーっ!!!」



「裏切りだっ!!!」



絶叫のラス1取り合いの中でも、ららと桜の声だけは聞こえた。

振り返って自陣を見た瞬間、腹を蹴られて棒を離してしまった。



「やばい紺!囲まれてる!」



『は!?味方だろ!?』



私たち四人を、敵だけでなく味方だったはずの奴等も囲い混んで拳を握る。



────どういうことだ。



私たちだけでなく、麟太郎や銀聖たちも驚いて私たちを見る。

私たちを囲んでいるのはほとんど二、三年。



そういうことか。“生徒会”が面白くない。

一年の私が面白くない。

大人数で混乱に乗じて袋叩き。



「一年が威切りやがってっ!!オラーッ!!」



『三人とも集まれ!』



「いけいけーっ!!八雲は丸腰なら俺らでもいけるぞ!」



「アイツは武器さえなけりゃ!!オラーッ!!」



殴りかかってくる拳と脚を避け、背中に当たった感触を確かめる。



「どないする?」



「量が多くても大したことない。」



『……大吉?』



二人の声は背中から聞こえる。

辺りを見渡すと、一人離されてしまった大吉が囲まれていた。



「大吉後ろっ!!」



ららの悲鳴にも似た絶叫がして、辺りを見渡すと一人離れて囲まれた大吉が見えた。

その後ろに、競技の棒を振り上げた男。



「『大吉っ!!』」



「こ、う”っっ!!!」



「大ちゃんっ!!」

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