第34話

たーちゃん父はそう言うと銀聖たちを連れて行ってしまった。

ユウジ父も同様に挨拶すると麟太郎たちを引き連れて去っていった。



「銀聖の妹似てねーな。」



「そうか?目元が似てるよ。」



「紺ちゃん、今日は目立たんようにした方がええよ。」



『ねー。』



なんで私は普通の生活をしているのに、會田からも伊嶋からも目付けられてるの?

みくじさんたちと一緒にいるからか?



食事を終え、持ち場に行こうかと私たちはみくじさんたちと別れた。



『はぁ……』



「午後はあと出るのは学年リレーと棒取りだけだ!」



「何もないといいけど……。」



諭吉は「なにもないさ」と明るく言ったが、大吉は煮え切らない様子。



『大吉?』



「いや、なんか嫌な予感がするだけ。なんかさー俺たちが生徒会ってやつになって何も抗議が起きないことが気持ち悪くね?百合学だぞ?」



「それは、会長が紺だからだろ?」



「それもそやな。最後まで気を抜かんとこか。」



『……ああ。』



私も考えなかったことじゃない。

疑問にも思った。

普段の学校生活ではなく、生徒会初仕事の体育祭。



『あ、ちょっとトイレ行きたい。先行ってて!』



「あ、俺も。」



勿論トイレも双子のどちらかが着いてくるんですよこれが。

もう慣れたけど……今日は諭吉くんですか。



大吉と錦とは分かれ、諭吉とお手洗いタイム。



『諭吉たちも自分達の身の回り警戒してよ。』



「おう!」



お手洗いタイムを終え、トイレを出ると女の子と八合わせた。

私たちと顔を合わせると冷ややかな目を向けてツンケンして去っていった。



「……お嬢様だ。」



『お嬢様のプイッは可愛いね。』



「えー!?紺そっちなの!?」



「『げっ……』」



背後から忍び寄ってきた銀聖に抱き寄せられる。



「二人してその反応酷くね?悪いなーと思って声掛けたのにー。アイツの態度悪いのはいつものことだから気にしないで。」



『あれはあれで良いと思う。』



「えー!ツンケンがいい!?デレもないと可愛くないじゃーん!もしかして紺もお嬢様タイプを屈伏させるのがそそる系?」



「そりゃ銀聖だろ。」



「あっははー!!それはたーちゃん。俺はー、強い子を甘やかしたい系だよ。」



うっ……耳元で囁くな!吐息を漏らすな!



『はーなーせーっ!!』



「やっぱり、耳が弱い。かーわい」

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