第26話
晃は私を見てウィンクしてきたが無視した。
「酷い……でもそんなところもイイ」
『きも。』
大男がクネクネすんなきもい。
みくじさんは双子に冷めた目を向けるように、私も晃に冷ややかな目で睨む。
「ボン、本日はボンの勇姿をしっかりと記録する……。頭に見せるんで気張って……ね。」
「やめて。」
「あっ!わ……や、八雲くん、紹介しますよ。この人は九条組の清水日和。」
おい晃てめぇ今“若”って言おうとしてただろ。
錦に向けて近距離でビデオカメラを構えていた人物が、晃によって勢い良く私の方へと方向転換させられる。
「ドアップ……イケメン。こんにちは。」
カメラを下ろし、ペコリと頭を下げた日和。
高身長の猫背で肩幅が狭く、幸の薄そうな顔をした儚げな青年。
黒髪の猫っ毛で長い前髪からでも綺麗な顔をしているのは分かる。
『こんにちは、八雲紺です。よろしく。』
「組でも有名や……。よろぴく……。」
『なんか可愛い……』
頭を撫で、顎を猫にするように撫でると気持ち良さそうに目を細めた。
「な、なん……だと!?こう見えて獅子さんと同い年なんですよ!?わ、八雲くん!!俺には!?」
『……席はあちらが空いてまーす。』
「晃、行くぞ。」
みくじさんは周りを一瞥すると双子に「頑張りなさい」と言い、晃と日和を連れて空いている席へと歩いていった。
容姿だけでなく、大きな組に所属する人だ。
この学校では特に目立つ。
あの三人といた私たちも注目の的となってしまった。
『誘導は大方済んだ。僕らも行こう。』
「そやな。紺ちゃん、選手宣誓楽しみにしてんで。」
『……楽しみもクソもねーよ。』
錦のせいで思い出したくないことを思い出してしまった。
なんでも私と三年のたーちゃんは代表で選手宣誓をしなければならないらしい。
「あー!晃さん!?」
「おータツ!ギン!久しぶりー。何年ぶりだ?」
「晃さん引退してから姿消したから、修羅場って刺されたって噂されてたんすよ!今何して……柳の」
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