第102話

バンッ…────



彼の左手がオレの顔を横切る。



何かを叩きつけるようなその音は、オレの後ろにある木に容赦なく叩きつけられていた。



実際に見たワケではないが、きっとオレの後ろの木はへこんでいるだろう。



…彼の左手だって、タダで済んでいないのはさっきの音を聞けば誰でも分かる。





しかし、柳生君は何事もなかったかのように振る舞っていた。



むしろ、オレを睨みつける力が強まった気がする。



な、何で電話に出ないくらいで彼はそんなに怒るのだろう?



少し大袈裟なのではないだろうか?



そんな事を思いつつ、オレの額からは一粒の汗が流れ落ちた。



それが地面に落ちる前に、柳生君はやっと口を開いた。

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