第61話

その隠し事自体には気にはなったが、追求したとしても教えてはくれなさそうだったので諦めた。



しばらくの沈黙が流れたのだが、店主が私に問いかけた。




「ヒロは……いや、カラスは君の前ではどんなヤツなんだい?」



「どんなヤツ?」



「君の瞳には彼がどう映っているのかが、気になってね。…真相は?」




カラスさん…。




私はカラスさんをどう思っているか。



私はその問いについて、間髪も入れずに一言で答えた。






「優しい人。」



「ん?」



「と同時に孤独だなって思いました。


孤独に苛まれた人って、1人が嫌いなのに孤独でいる人で、しかも1人の寂しさを知っている人だから人を大切に出来る人なんです。


だから、カラスさんは優しい人です。」



目の前にあるガラスコップに私は目を移しつつ、言った。

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