第74話

『同情も称賛もする間もありせんよ。組織はもう目をつけています。ただ、組織はこちらの国では表立って動きにくい。その時はお力をお借りしたい。お願いします。』



「コイツらによる被害がなくなら、いくらでも協力しよう。」



『ありがとうございます。』



「無用だと思うが、用心は怠るな。蛇は噛み付いたら絡み付いて締め付ける生き物だ。」



『はい。噛み付かれる前に仕留めたいものです。そうはいかないでしょうが……。』



資料は後でデータとして直接組織に送ってもらうことになった。

藤木がお茶を出してくれたから、有り難く甘い菓子と共に頂く事にした。



「そういえば、お前が帰って来た頃から【狛犬】と言う小さな族が暴れなくなったり、また新しい【闇王】だとかいうのが出てきたようだな。」



『こまいぬ?』



「ああ、お前の弟たちにちょっかいを出していたようだった。噂によると、有田真白という女を襲い、介入した男に潰されたとか。お前だろ?」



『……あー、あいつらか。』



そういえば、そんな男たちいたなあ。

神社を守る【狛犬】の名前つけて、やることは最低だな。改名しろ。



「それから、お前の弟の帝が女を庇っていたとかで相手を突き止めた奴には報酬を出すとかも耳にした。」



『へー、ほんとに情報網広いですね。』



「お前は興味ないことにも情報だけは持っておいた方が今後役に立つ。」



『勉強になります。』



「それで、そのお前の弟が庇っていたのはお前じゃないのか?と俺は考えている。」



あーやっぱり?心当たりあるんだよな。

あの臨海学校の時じゃない?

私も向こうの顔見てないけど、向こうも私の正体分からないよね。



こうなったら、調べるか。

晶さんにの助言は聞いておいて損はない。

私のこの面倒くさがりな性格は直さなければならないね。



『今日はありがとうございました。早速私も独自の情報収集に勤しみます。』



「ああ。」



竜胆家から帰り、それから数日は自分の部屋に籠った。

その間で、過去から現在までの詳しい情報を確保することができた。

威かに自分がこの土地に無知だったかも分かった。



『あ、お祭り明日だ。』



行く相手がいないのは寂しいけど、適当に腹ごしらえをして帰ろう。

ちょっとだけ、体が怠いからベッドで横になろう。うん、それがいい。



買ってきて使う頻度の低いふかふかの白い布に体を預けた瞬間、黒い闇の中へと真っ逆さまに落ちていった───…。






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