第69話
潤のところを出て暫く大通りを歩いていた。
ふと、何かがぶつかり壊れる音がして音のした方へと視線を向けた。
歩いている人は少なく、誰も気にも止めていない。
「てめぇ……の、……!!……ろ。」
「……!!……、」
複数の男の声だ。
聞いちゃった以上、スルーしづらいけど人の問題に首を突っ込むのが私の悪い癖だとも分かっている。
だが、聞こえてしまった単語は無視することが出来ない。
櫻小路の二人、【神王】……完全に私の弟たちのことだ。
気配を消して声のする方へと近付くと、いかにも不良ですという派手な格好の少年が三人。
その少年たちは一人の少年を囲んでいて、それはさながらウサギを捕らえてどう喰おうか品定めしている様子だった。
「誰がお前らなんかにあのお二人を会わせるか!あのお二人に会いたかったら、正々堂々……くっ!!」
「うっせぇな。てめぇなんかどうでもいいんだよ下っ端。」
一人の男が少年の鳩尾を殴り、少年は膝をついて苦しそうに咳き込んでいる。
男はその少年の頭を掴み青筋を立てて少年を罵る稚拙な暴言を吐く。
「下っ端は下っ端らしく地べた舐めて助けてくださいって言ってろ。」
少年の腹部に蹴りを入れ、蹲った少年を三人で暴行する。
三人とも少年に夢中で、私が近づいてきたことにも気が付いていない。
一人の男の肩を叩き、振り向き様に鳩尾に一発入れて項垂れた体を捨てる。
「あ”!?なんだてめ……っ」
次に一人、そして最後に一人と沈め、蹲って動かなくなった少年わ担ぐと裏通りを進みながら家の近くの公園に着いた。
少年をベンチに横にして、濡らしたハンカチで顔の汚れを落とす。
しかしこの少年の顔……すっげぇ可愛い。
本当に男か?と疑いたくなるほど。
「っ……ん、」
『おーい、大丈夫かー?』
「うっ……っ!ここ、どこ?」
『東の森公園。』
「俺は……っ!!あれ、アイツらは!?」
『落ち着きなって。ほれ、お水あげるから。』
少年は勢いよく起き上がると、腹部を押さえて顔を歪めた。
ペットボトルを渡すと、ありがとうと言って一気に半分くらい飲み干す。
「助けてくれたんですか?」
『そんなんじゃない。私、ヒーローじゃないから。』
「アイツら、どうしました?」
『んー、さあ?』
「喧嘩……したんすか?そんな細腕で、そんなわけないですよね。ここまで運んでくれて、水も。ありがとうございます。」
敬語で、ベンチの上で正座して頭を下げる人初めて見たよ。
しかも、端から見たらカオスじゃない
「あの、お名前をお伺いしてもいいですか?」
『私は紫苑。君は?』
「俺は
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