第68話
オロチという集団の子供たち一人一人の情報を隠してしまえる程の大きな組織、ということか。
下手に深い入りしては、プロの情報科だとしても足を捕まれる可能性はある。
『私の弟たちや友人たちなら、彼等を知っている可能性はある。そして、此方が調べていることが漏れることもない。』
「ああ、そういうことだ。頼んだぞ。」
『うん、分かった。』
「紫苑、無理しないでな。」
明露はいつも私の心配をしてくれて、本当に優しい男だ。
私は潤といる明露の方が心配だけど。
……んー、こんなときはあの人がいたな。
携帯を取り出すと、直接本人に連絡を入れた。
多忙な人だから会うのは難しいかと思ったが、丁度週末空き時間があるから少し会えるとのことだ。
『ねえ潤。アイツは……』
「俺が知るか。レオに聞け。」
『自分のことだけ考えてろって。』
丁度臨海学校の時に、千景、マオ、レオがそれぞれメッセージをくれた。
その時にレオに聞いたが、はぐらかされて聞き直せずにいた。
「たしかに、レオの言う通りだ。」
『でも、私のせいで』
「お前のせいじゃない。アイツのことはアイツの責任だ。思い上がるな。」
────「てめぇのケツは自分で拭け。俺の問題は俺のもんで、てめぇの問題はてめぇのもんだ。それはいくら仲間だろうが相棒だろうが踏み行っちゃならねぇもんだ。」
そうだね。
アイツも同じことを言っていた。
彼等は私の問題を聞いてきたことなんてなかった。
私はそれが嬉しかったし、安心していた。
だから、彼等のプライベートな問題には口出ししたこともない。
話を聞いたことはあるが、皆自分で悩んでもがいて足掻いてる。
でもさ、それは分かってるけど……
『仲間の心配くらい、してもいいじゃん。』
人の心配くらいはしてくるくせに、自分達の心配はさせてくれないんだ。
これ以上ここにいても、二人の邪魔をしているだけだし退屈だから部屋を後にした。
「……阿呆め。」
きっと、アイツも同じことを言う。
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