第67話
≪紫苑side≫
二泊三日の臨海学校を終え、すぐに行われたテストを乗り越えて学校は夏期休暇になった。
臨海学校で遭遇した【闇王】とやらが、【神王】の周りを彷徨いているせいで、彼等は忙しいらしい。
そして、危ないからと外で私と話したりだとか出掛けてくれなくてとてつもなーくつまらない。
真白は姫と言う面倒で可哀想な立場だから、一人で出掛けられないらしく女の私とは二人で出掛けてはいけないとか言われ、透と遊んでいても次は【天王】メンバーがいて杏璃が苦い顔をする。
『……というわけなんだよー。』
「だからってこっち来んな。仕事の邪魔だ。」
「紫苑、アイスティーどうぞ。」
『明露、ありがとう!』
そんなこんなで、今日は暇しているであろう潤の元に遊びに来たのだが、書類に囲まれて本当に忙しそうだ。
本業の組織の仕事だけでなく、理事長職までしていれば暇ではないようで、明露もアイスティーを私の目の前のコースターと潤の机の上に置くと資料探しと整理を始めてしまった。
結局、何処行っても暇じゃん。
「てめえ、暇してんなら俺様が仕事を分け与えてやってもいいぞ。」
『ワタシヨウジアッタ。』
「まあ座れよ。折角明露が淹れてくれた茶でも飲みながら聞け。」
書類から目を離すことなく、不敵に笑った潤はアイスティーに手を伸ばし一口飲む。
『私やるなんて一言も……』
「お前のためでもあると思うがな。オロチって集団知ってるか?」
『オロチ?』
聞いたことのない名前に興味が湧き、言われた通りに座り直してアイスティーを一口だけ口に含む。
これを飲まずに逃げようとは、私は愚かだった。
明朗の優しさを感じる絶妙な甘みと、夏にふさわしいレモンとミントの爽やかさと冷たさだ。
「ああ、“ただの”餓鬼の糞溜まり“だった”。謂わば、族と言うやつだ。そいつらは此処等で【阿修羅連合会】と縄張り争いをしていた。」
『へー。そいつらが何?』
「餓鬼に大人が知恵だけじゃなく、武器まで与えてこっちにちょっかい出し始めた。」
つまり、大人が餓鬼の集団のバックについて餓鬼の争いじゃなく大人の組織を落とす起爆剤に利用されようとしている、ということか。
『それなら、“彼等”が動くんじゃない?』
「ああ、だがまだ威嚇でもなんでもないちゃちいのことしかされてない。だから、お前にはオロチの情報収集を命令する。」
『私がやるよりも情報収集部の方が、早いんじゃない?』
「本部の情報科も動いてる。だが、なにぶん人員不足だ。多いに越したことはねぇ。それに、基本情報は掴んでいる。だが、ほとんど消されてんだよ。バックについた組織はまだ予想の範囲。お前が今いるのは、奴等の元縄張り争いをしていた言ってしまえば本拠地。」
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