第57話
次に送られてきた写真には、口紅まみれの明露の肩を抱く潤とのツーショット。
良かった、無事救出されたんだね。
そういえば、前に潤たち組織の若い連中で飲みに行って明露だけ帰ってこなかったことあったな。
あの時も捕まって、ホテルまで流されて命からがら逃げ出してきたようで顔が真っ青だった。
断れない優しすぎる、最早お人好し病の明露ならではのエピソードだ。
一緒にいた連中も、誰一人助けようとしなかったらしい。
可哀想な明露の代わりに私がお仕置きしたんだよな。
『優しすぎるって損だよな。』
「そろそろ部屋に戻ろう。眠い。」
『うん。』
翌日、明露からお礼を言われて「俺の味方は紫苑だけだよ」なんて天然タラシ発言をされてときめいてしまったのはまた別の話。
部屋に戻ると、話し合いは終わっていたようで丁度帰ろうとしていたみたいだった。
「紫苑、帰ったら話あるからね。」
『え、はい。』
黒い笑みを浮かべる杏璃に逆らわずに頷いたはいいものの、何があったっていうんだ?この短時間で。
「ちんちくりん、今度俺と勝負しろ。」
『嫌。』
羅威の挑戦を軽く蹴飛ばし、部屋に入ろうとした時油断していたせいで大門に抱き付かれてしまった。
「益々惚れちゃうよ。」
『はーなーせー!』
「かわい、いって!!二人で殴るなっ……て!いたっ!ごめんなさいごめんなさい」
ゴッ、と頭から鈍い音をさせて痛がり蹲る大門。
その音の原因の弟二人は足蹴にしながら部屋から転がしていた。
「おやすみ、紫苑。」
『おやすみ杏璃、帝。』
騒がしい連中も去り、しょんぼりした真白と三人で寝落ちするまでお菓子とおしゃべりで過ごした。
真白、透はほぼ同時に眠ってしまった。
二人にタオルケットをかけてあげて、一人窓際のソファーに腰を下ろした。
こうやって、女の子だけで話すことなんて今まで無かったから新鮮で楽しいな。
寝れないけど、目を瞑るだけでも体は楽だからそうしてようかな。
そう思って立ち上がろうとした瞬間、またメッセージが届く。
……また潤?
一応気になるからメッセージを開くと、意外な人物からだった。
[親愛なる我らの女神様は、どんな夜をお過ごしですか?寂しくて人肌恋しい時は、いつでも連絡待ってる。]
天樹には何も言わずに出てきたから文句の連絡が来るのは予想していたけど、まさか千景が二番目に連絡くれるなんて思っていなかった。
[間に合ってるよー]と返信と共に帝と杏璃が寝ている間に撮った三人の写真を送りつけておいたのだった。
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