第56話
「首突っ込まないのね。」
『私でしゃばりじゃないよ。』
正直面倒くさそうだし、私がいてどうにかなることじゃない。
それにしても、帝と杏璃は全く興味なさそうに目を閉じて寝る体勢をしていた。
仲悪いとかじゃなくて、必要以上に干渉しないみたいに見える。
真白だけじゃなくて、二人と再会してから二人の口から友人の話を聞いていない。
私にしたくないだけかもしれないけど。
私のことも彼等に言っていないようだけど、いつ帰ってくるか分からない姉のことなんて話すわけないよね。
『帝と杏璃って、私が来る前どんな感じだった?』
「さあ、私あまり関わらないから。一応去年は同じクラスだったけど、【神王】メンバーには憧れられていたし頼られていたんじゃない?女子からも。」
『でもあの二人、基本的に二人でしかいないでしょ。』
「そうなんじゃない?兄弟なんだから」
『そうか、そうだよね。』
それだけだったらいいけど。
あと一年、私には時間がある。
彼等に伝えたいこと、彼等としたいことがあるんだ。
「……どうでもいいけど、私たちの方まで巻き込まないでよね。」
『巻き込むって何をさ。』
「なんか、胸騒ぎがする。アンタは荒らしに荒らして最終的に勝手にまとめて勝手にいなくなるような奴だから。」
『なにそれ。面倒くさい奴じゃん。』
「だから、そう言ってんの。」
そんな言い合いをしていると、売店に到着した。
お菓子やら、飲み物を買ってロビーの所で少し時間を潰そうということになった。
その時、携帯のスマホが振動した。
潤だった。
……コイツら、何してんの?
メッセージアプリに写真が送られてきた。
潤が綺麗な女の人の肩を抱いている写真。
腹が立つくらいドヤ顔でウインクしていて、顔だけは整って生まれた男なだけはある。
そしてその後ろに明露がオカマ複数人に取り合いにされていた。
……多分、俺モテるアピールと明露の珍事件を私に伝えたかったのだろう。
本当に明露のこと大好きだよね。
返信する前に次の写真が送られてきて、そこにはオカマたちが喧嘩している隙に逃げようとする明露が写っていた。
そして最後はずっと写真に写っていた一番端っこに座っていたガタイのいいオカマに捕まっている写真と一言添えて送ってきた。
[明露がお持ち帰りされまーす。]
可哀想な明露。一緒に行った友に見捨てられてしまって。
潤とは相棒関係解消した方がいいよ。
[明露助けてあげないと、潤のコレクションを金髪のお兄さんにお願いして壊してもらうよー。]
[やめろ、コロス]
[脅しても怖くないよーん。3、2……]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます