第52話
暴れる透を芋虫スタイルから解放した瞬間、真っ白なボディをボフンボフンと殴られる。
『うわー!か弱いイモムチになんてことを!』
「か弱い芋虫が人を飲み込んで羽交い締めにするか!?」
毛布の中で体勢を変えながら、なんとかパンチを避け続ける。
無駄だと呆れが勝ったのか、はたまた疲れただけなのか透はベッドに座って私をクッション代わりに寄りかかる。
「透、楽しそうで良かったです……。」
「これが楽しそうに見えてるなら、鷹の目もまだまだね。」
黒髪眼鏡くんを鼻で笑い、透は芋虫ボディに肘をグリグリと押し付けてきて地味にツボを刺激してくれて気持ちいい。
「一応自己紹介しておきます。俺は
「俺は
「……
何故か同級生に敬語の黒髪の端正な顔立ちの柳沼と、ぼーっとして眠そうな眼鏡男子綾瀬と、美少年で反抗的な齊藤。
齊藤には毛嫌いされているご様子。
『櫻小路紫苑。透の親友!よろしくー』
後で聞いたことだが、生徒会メンバーの彼等は【天王】幹部なんだとか。
柳沼がNo.2兼参謀で、綾瀬が親衛隊とか言うので、なんと意外や意外の齊藤が特攻隊長らしい。
一番ひょろくて弱そうな美少年が、実は一番喧嘩っぱやくて脳筋なんだと。
「イモムチくんって、なに。」
『知らないの?透もまだまだだね。』
スマホのストラップを見せると、見たことあるけど名前は知らなかったと言われた。
「それ……期間限定で数量限定のプレミアムイモムチくんじゃん。」
『え、そうなの?』
「知らないで付けてんの?」
『だって貰ったから。これ貰ってイモムチくんの存在を知ったからそこまで詳しくなかったけど……好きなの?凜』
「気安く呼び捨てないでくれる?」
『これともう一つ、チョーコちゃんもいるよ。』
「なに!?」
家の鍵に付けていたチョーコちゃんと言う、イモムチくんの片想いの相手である年上ちょうちょのチョーコちゃんも見せると凜は飛び付いた。
「すげー」
「それ、凄いですか。」
こうして私と私を毛嫌いしていた凜は簡単に打ち解けて、早々と連絡先を交換したのだった。
「まさか最初に凛と仲良くなるとはね。」
『そ?』
透たちは驚いているが、凜は懐いた猫のようにすり寄ってきて可愛いのなんのって。
そんなこんなで寛いでいると、またまた部屋の扉が開いて真白とぞろぞろとその後ろに着いてきた人物たちが部屋に入ってきた。
その瞬間、和やかな部屋の温度が一瞬で下がった。
『おかえりーそしていらっしゃーい』
「た、ただいまー……」
「お邪魔しまーす……生徒会の」
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