第53話

「紫苑、【天王】の奴等とどういう関係?」



『どういう関係?えー、関係的には透の友達同士が自己紹介しあいましたって感じ。』



杏璃があまりにも低い声で凄むから、ここは真面目に正直に答えた。

隣の帝も表情は動いていないが眼光が鋭い。



透が体勢を変えてくれたお陰で、芋虫スタイルで方向転換してベッドをゴロゴロと回る。



『杏璃くん……ちょっとこっちに』



真面目な顔で困った声で呼ぶと、優しくて素直な杏璃は駆け寄ってきてくれた。

そしてそんな杏璃を、先程の透同様にムササビになってハンティングして羽交い締めにして擽る。



「ちょっ……くっ、み、帝たすけっ……!」



「……良かったな。」



見捨てられた杏璃を容赦なく飲み込み、次は帝を呼ぶが来てくれるわけがない。

そしてそんな私たちを引き気味に見つめるこの部屋の男たちと、苦笑いの真白と呆れ顔の透。

ただ二人、凛と緋埜だけは笑い転げていた。



「っ……ん、……っぁ」



杏璃があまりにも色っぽい吐息を吐いて擽りに堪えるものだから、罪悪感がさして解放した。

悪いことしてる大人の背徳感というのだろうか。



ベッドにぐったりする杏璃の頭を撫でて、片方では不公平だよなと思って帝をロックオンした。



『やっ!』



「やめっ……くそ!」



帝の性格からして、逃げることはない。

一歩下がって臨戦態勢を取ったところまでは良いが、そんなもの私には通用しない。

もう一人の弟も飲み込んで、満面の笑みの私を見て透が吹き出した。



「最強の双子も、紫苑の前じゃあ子猫同然ね。」



三つ子だってば。

帝を羽交い締めにしながら、透の言葉に心の中で反論して腹いせに帝を擽りの刑にした。



「へ、んた……っん」



『二人とも透よりも色っぽい声出すなー。透、負けてる……いたっ!』



脳天を手加減なしにチョップされて、その痛がっている隙に帝が芋虫から這い出て杏璃の横に寝転がる。

こうして、三人を飲み込んだイモムチくんは透によって沈静化させられた。



「紫苑!アンタ面白いな!」



「俺も気に入ったわー。」



「いや、こえーよ。最初のイメージと違いすぎるだろ。」



「紫苑ちゃん、俺も飲み込んでー!」



飛んできた大門を芋虫状態のまま交わし、暑い芋虫ボディを脱ぎ捨てる。

寝巻きの短パンとタンクトップ姿で寝転がる二人の前に仁王立ちした。



『こんなことでバテるなんて、鍛え方が温いな。』



「変態芋虫に言われたくない。」



「ほんと有り得ない……変態馬鹿姉貴!」



ニヤニヤと嗤うのが堪えきれずに、寝転がる二人の間に大の字で飛び込むと二人を押さえ込んで抱き締める。

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