第33話
『なに?』
「何故、有田真白を中途半端に助けなかった?女たちが彼女に危害を加える可能性とあることくらい、考えたでしょ。」
起き上がった透は、探るように私を横目で見つめる。
同じように私も上半身を起こし、ヘラリと笑う。
『まあね。でも、あの人たちはそんな覚悟ないよ。真白は、守られてるお姫様だけどそれはずっとじゃない。未来永劫誰かに守ってもらうなんて無理。いつかは自分が自分自身を……時には大切なものを守る立場になる。その第一歩のお手伝い、的な?』
「随分大掛かりね。」
『ねー。あと、一つ訂正があるんだけど。その前に私も聞いて良い?』
「ええ。」
『なんで私が真白のGPS情報を送ったのは杏璃だと思ったの?』
「紫苑なら弟に送る。二人は一緒にいることがほとんどで、どちらかが情報を掴んだら、もう片方に必ず伝える。だからわざわざ二人に送る必要はない。……聞く話によると、櫻小路帝は有田真白と話しているのを見たことがある人は仲間内にもいないとか。切羽詰まった状況に一番素早く対処出来るであろう櫻小路杏璃に送ったと考えるのが妥当。」
単純な疑問だった。
でも、私はまだ彼等彼女たちのことを分かりきっていない。
帝が真白と話さない理由だとか、透が何故内情にとても詳しいのかとか。
『ふーん。でも残念。私が送った人は帝だよ。それから、首謀者の女子たちのお友達にもこんなことが起きてますよーって教えてあげただけ。』
私が前に学校で真白と彼女たちを見た時、女は4人だった。
しかし、今日見た情報では3人しか確認できなかった。
もしかしたら、もう一人は知らされていないのか知ってて計画に反対して外されたか。
私は、彼女たちの友情なんてものと良心を知りたかった。
というのは理由の一つに過ぎない。
「何のために?」
『男を使ってって卑怯な考えをした女たちは滅茶苦茶腹立つ。でも、あの二人が……女の人に手を出すとか、してほしくなった。自分勝手な我が儘。』
「何故、櫻小路帝に?」
『それは……なんとなく?』
女の子が勇気を出して友人の罪を告白するとしたら、必ず止めてほしくなきゃ告白なんかしない。
自然と力のあるトップの人に伝えようとする。そしてそのトップは憧れている人。
二人の内話しかけやすいのは、杏璃。帝に話し掛けても睨まれてそこで終わり。
でも杏璃なら全部聞くと思った。
杏璃に送らなかったのは、彼女の告白を最後まで聞いてほしかったから。
知っていたら、切羽詰まった状態で知っている情報を聞こうとはしないでしょ?
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