第16話

昼休みに学校に到着した。

まずは学校での溜まり場としている旧校舎に向かう。

ゆったりとした足取りで校舎内の扉に手を開けた、その時。



バンッと破壊音と体にきた衝撃を受け止める。



『何事?』



「杏璃!!一大事だ!」



俺に激突しても尚、突っ切ろうとする猪突猛進男──笹木大門ささき だいもんは鼻の穴を膨らませて必死の形相をしている。

喧嘩の時の興奮しているときにしか見ないその顔に、俺の表情が引き締まる。




『何!?』



まさか、【大蛇】に動きがあったのか?

今はまだ大人しくしていると踏んでいたが、やはりイカれた奴が指揮をしていると行動の予測が外れることは少なくない。



「俺はまず、黙視してからヤりにいこうと思う。」



『待って。殴り込みはもっと慎重に』



「んな悠長なこと言ってらんねぇんだ!どうやら、真白が接触しているらしい。」



『有田が?』



それは早急に対処を考えないと。

だがその前に、この特攻牛を止めて帝を呼び出すことを優先しよう。



『今から帝も呼ぶ。』



「馬鹿!!そんなことしたら、帝に取られちまうじゃねぇか!!」



前々から血の気が多い奴だとは思っていたが、まさかここまでとは……呆れてものが言えない。

走り去ろうとする大門の腕を掴み上げる。

俺の手から逃れようと、大門がミシミシと俺の腕を握り返す。

剛力の持ち主である大門に掴まれた腕の骨が悲鳴を上げる。



『馬鹿はお前だろ!?【大蛇】相手にお前一人で敵うと思うのか?』



大門が弱いというわけではない。

【大蛇】は人数不明だが兎に角、数が多い。

特に幹部連中は段違いに強い上、総長の奇策が解散に追い込めない起因だ。

大門を睨み付けるが、先程までの力が抜けた大門が間抜けな顔をする。



「……へ?」



気の抜けた声に、俺は畳み掛けるように説得を試みる。



『俺たちは仲間で戦ってるんだ。分かるだろ?まずは、落ち着いてから帝に連絡。有田の救出に向かう。』



「ま、まさか!!【大蛇】が真白を!?」



『……は?今大門が言ったじゃん。』



「俺、そんなこと言ってねぇよ。」



『……。』



見つめ合うなんて気色の悪いことをした俺たちは、互いの

腕を離した。



『……大門、何処に行こうとしてたの?』



「だから!転校生のクラスに決まってるだろ?」



俺たち、よく話続いてたな。



『て、転校生の?』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る