第17話
「おう!真白が仲良くなったらしいんだが、それが絶世の美女らしくてよ。他のメンバーも絶賛!まずは視察、後に口説く。だから帝を連れてったら、取られちまうだろ?」
『俺は、一大事だって言ったから【大蛇】関係かと思っちゃったよ。いってらっしゃい。』
一々発言が紛らわしい。
【大蛇】じゃなかったことにホッと胸を撫で下ろす。
俺が調べるが、大門から情報を聞き出させれば文面よりも多くのことを知れるかもしれない。
有田に接触したのは、意図的かただの偶然か。
有田が【神王】にとって弱点だと言うことを知っているのか?
「行ってくる!!」
大門を見送って直ぐ、旧校舎から有田が息を切らして走ってきた。
「あ!あ、杏璃くん!」
『有田、おはよ。』
「お、おはよ!」
俺が笑いかけると、有田は俯いてモゴモゴと挨拶を返す。
他のメンバーには気楽に話し笑い合っているのに、俺だけには俯いて元気がなくなる。
俺は相当有田に苦手な相手とされていることは重々承知しているつもりだ。
可哀想に、震えている。
「あの……大ちゃんは?」
『大門なら、転校生見に行くって本校舎に向かってったよ。』
「あ、ありがとう!」
顔を上げても、熱があって具合が悪いのかと思う程の顔の赤み。
有田も大門の後を追って行った所で、俺はやっと旧校舎に入ることができた。
階段を上がり、2階の奥の部屋の扉をノックせずに開ける。
「杏璃おはよ。」
『おはよ、緋埜。』
「お宅の子、またおサボり?」
『困ったものでして。』
「あらー帝くんは最近どうしたのかしらね?」
真顔で変な設定を作って話しかけてくる。
今日は、俺が帝の母親役らしい。
ドラマで目にした井戸端会議の奥様方のものまねをしているのか、手の動きまでついている。
『お隣の大門くん、突進して行っちゃったよ。』
「あの子も困ったわねー。母親の腹の中に三大欲求の一つを置き忘れてきちゃったからなー。」
『だから食欲と性欲しか持ち合わせていないんだ。』
緋埜の向かいに座り、俺も手の動きを真似した。
緋埜の隣には、丸まった毛布が独占している。
毛布がモゾモゾ動き、ケラケラと笑い声を上げて起き上がる。
「杏璃ってさ、ノリ良いよな。ウケる」
『羅威の笑い上戸も“ウケる”』
顔を上げた大黒羅威は、何故か上半身が裸で欠伸をすると関節を鳴らす。
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