再会
第15話
《杏璃side》
東高校に通う生徒の大半が、【阿修羅連合会】と言う暴走族に所属している。
【阿修羅連合会】は、【神王】【天王】【覇王】【龍王】と呼ばれる四つの大きな族を中心としている。
連合を仕切る二人の男は関東No.1と名高い【神王】を率いていた。
二人きりの部屋には、慣れた沈黙と小さな安寧があった。
向かいのソファーに悠々と腰を据え、長い脚を組み替える男に視線を向ける。
『帝、あのさ……いや、やっぱり何でもない。』
「なんだ。」
怪訝な視線を向けてくる帝に、曖昧に誤魔化すように苦笑いを浮かべて見せる。
俺と同じ、プラチナブロンドの髪。双眼は切れ長の碧眼と金瞳のオッドアイ。
日本人離れした無口で作り物のような美形の持ち主である帝は、【神王】の総長である。
ちなみに俺は、副総長兼参謀をしている。
『そういえば、この前言ってた転校生の話したの覚えてる?今日からなんだって。隣のE組。』
「……興味ねぇ。」
『どんな奴なのか調べないと、スパイとか変な奴かもしれないだろ?』
「緋埜にやらせろ。」
緋埜は情報担当だが、ちょっと問題がある。
だから、敵かも分からない人間を調べさせるのは良心が痛むと言うか。
『俺は興味あるから、まずは軽く調べて緋埜に渡すよ。と言うわけで……俺はこれから学校に行くけど。もう昼なんだから、帝も学校行くでしょ?』
「だるい、寝る。」
逃げるように立ち上がった帝は、自室に戻ろうと背を向けて歩き始める。
部屋に入ったら、全く返事を返してくれなくなるから今のうちに聞くことは聞いておこう。
『溜まり場にも行かないの?』
「……あー。」
『行かないならお願いがあるんだ。この前引っ越してきたお隣さんが、何回か挨拶に来てくれてるらしいんだよね。俺たち家居ないこととか多いから、手を煩わせてるっぽいんだ。お隣さんが来てくれたら出てくれる?それとちゃんと謝っておいてね。』
「面倒くさい。」
これ出てくれない可能性高いな。
やっと敵族の【大蛇(オロチ)】の動きが落ち着いたから、今日は溜まり場にも行かず夕方にでも菓子折を持って挨拶に行くか。
『はぁ……俺が帰ってきたらこっちから挨拶に行こう。あと、お昼御飯は机の上のお弁当食べてよ。』
「ああ。」
『帝、いってきまーす。』
不満を全力で顔に出している帝を残し、俺は軽いバックを片手に学校に向かったのだった。
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