編入

第10話

おはようございます。

今日は、私の高校デビューの日。

絶好の登校日和です。



昨日寝るのが遅かったせいで見事に寝坊した私は、開き直ったせいもあって、身支度を済ませて、ゆっくりと朝御飯を食べていた。



10時になって、やっと家を出る。

エントランスの管理人さんに挨拶をすると、にこやかに笑って挨拶を返してくれた。

愛車に乗ると、エンジンを吹かせ、安全運転第一で学校へと向かうのだった。




───



やっとついた学校では、不良校だと聞いていたのに、校舎が綺麗で拍子抜けした。

駐車場には、たくさんのバイクが並んでいて、その一番奥に置いて、チェーンをかけておく。



まずは、理事長室に向かうように言われていたな。

そう思って、校舎に向かって歩いていると、何処からか女子の声が聞こえてきた。

さすが不良校。

サボりの生徒もいるのかと感心する。

普通ならそこで、何も考えずに通りすぎていた。

それでも、何故か聞き流せなかった。

そっと声のする方へと忍び足で近づく。



「あんた、いつまであそこにいるの?」



「皆さん、迷惑してんだからね!」



「ちょっと可愛いからって、調子のんじゃないわよっ!」



4人の女が、1人の女を囲んで暴言を吐いている。

言われている女の子は、俯いたまま何も言い返さない。

日本の高校はこういうこともあるのか。



『ごめんください。理事長室は何処にあるの?』



「「は?」」



「今取り込んでるの!」



『あ、そうなの。じゃあ、ムービー録っててあげるから、続けていいよ。』



携帯を構えて、ムービーにするとにっこりと笑いかける。



「ちょっと!止めなさいよ!」



私の携帯を取り上げようとするが、170㎝と高身長の私には届かない。

背伸びをして、倒れかかっている。



「チッ!行くわよ!」



「助かって良かったわね!」



「また調子のんじゃないわよ!」



リーダー格の女が、他の女に合図する。

全員が俯く女の子に暴言を吐きながら、私には舌打ちをして去っていった。



『ねえ、理事長室に案内してくれない?』



「……は、い。」



ん?この声……聞き覚えがある。



『……真白?』



「え!……し、紫苑さん……っ!」



俯いていた女の子は、昨日出会った真白だった。

顔を上げると、大きな目にたまっていた涙がツーッと頬を伝う。



『よしよし、よく我慢したな。』



「ううっ…紫苑さぁん!」

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