第8話

『気にしなくていい。お礼も要らないから。あいつら、もっとギッタギタにしてやれば良かった。警察行くか?』



「大丈夫です……。」



彼女の言葉に口を開こうとしたら、バタバタと数人の足音が聞こえてきた。



『はあ……やっぱり手加減なんかするんじゃなかった。つい癖で……ごめんな。』



「はぁはぁ……げほっ……こ、こいつらです!」



「げほっ……こいつお、女かよ!」



私を指差して驚いているさっきの男たち。



「てめぇら女にやられたのか?」



ぎゃははっとその仲間と思われる奴等が追いかけてきた。

援軍呼んで、仕返しか。



「最近ヤってねぇからな~。」



「こいつら上玉じゃねぇか!」



「姉ちゃん、責任とってくれよ?」



『は?やられたのにやり返しにきたの?力の差も分からないほど馬鹿なんだな。』



「後輩たち、随分可愛がってくれたらしいじゃん?」



「さすがにこの人数は無理だろ?」



隣の彼女が震えて、私の服の裾を掴む。

大丈夫だよって意味を込めて、彼女の手を握り返す。

リーダーと思われる男の横にいた男がが近づいてきた。



「大人しくしてればいいんだよ。女なんてどうせ男に勝てやしねぇよ。」



にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべながら、彼女の腕を掴もうとした。

その腕を捻り上げる。



「くっ!このあまっ!」



そのまま、懐に入り込み鳩尾に拳を捩じ込む。

蹲った男の腹に蹴りを入れるとげほげほと咳をしていた。

頭に血が上ってイライラする。



「調子乗んなよ?」



その言葉が合図になり、男たちが殴りかかってくる。

ナイフや鉄パイプを使ってくる奴もいる。

それを避け、殴る蹴るで応戦するが、やはり弱い。

あっという間にリーダーが一人になった。



「お前、名前は?」



『……。』



「いいねぇ。その目……そそるな。お前、俺の女になれ。」



私は気持ち悪すぎて、ゾワゾワする。

そして、顔も世に言うイケメンと言うやつでムカつく。

お前レイプなんかしなくて、女が寄ってくるだろう。

性格が悪すぎてモテないのか。

段々と吐き気がしてきた。



『お断り。お前みたいな糞野郎なんて願い下げだ。』



「あ“?……させてくださいって言わせてやる。」



リーダーが殴りかかってくるのを受け流し、そのまま殴り返すと、ギリギリのところで避けられる。

他の奴に比べたら、まあまあ慣れてるけど、遅いしパワーだけで大したことない。

段々と面倒くさくなってきた。

私は今、彼女と話していたのに、なんでこいつの相手をしないといけないんだ。

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