第167話



「「「仁くーん!頑張ってーっ!」」」



「「「仁様ーっ!」」」



「「「きゃあぁぁぁっ!頑張ってーっ!」」」




歓声がすごく聞こえる。

有り難いけど、凄く戸惑ってしまう。

それに、余計緊張する。



「位置についてっ!よーいっ!」



パァンッ



走り出し、一番乗りでボックスにたどり着いた。

お題の紙を取り出し開くとそこには…………











──────────゛家族〝














家族?

叔父さんか兄貴だけど、兄貴にはまだ会ってないしいつ来るのか分からない。

叔父さんはいるはずだから、キョロキョロと周りを見る。

そういえば、叔父さんの席は決まってる。

先程座っていた席を見るが、そこには叔父さんの姿がない。

その前に、理事長が俺の叔父さんってバレない方がいいのかな?

困って棄権しようかと思い始めた時、姫の声が聞こえてきた。



「仁ーっ!」



姫の方を見ると、隣にはビデオカメラを構えて俺を見ている兄貴がいる。






…………家族いた!






もう来てくれてたんだ。

これで棄権しなくてすむ。

心の中で姫にお礼を言いながら走り寄る。



『来て』



「え?ちょっと!」



兄貴の手を掴む。

兄貴の困惑した声が聞こえたが、手を引っ張る。



「「「「は?」」」」



周りから聞き慣れた声が聞こえた。

兄貴のことしか見てなかったから、気がつかなかった。

龍ちゃんに虎くん、洸雅までいる。



「龍!ビデオお願い!」



「お、おう!」



兄貴は龍ちゃんにビデオカメラを渡すと、俺と一緒に走ってくれた。



「白石選手がゴールしました。イケメンを連れていますね~!お題は……゛家族〝!えっと、免許証とかってありますか?」



「はい、これでいいかな?」



兄貴はポケットから財布を取り出すと、審判の生徒に免許証を渡した。



「お名前とご関係を発表していただけますか?」



「ああ、仁の兄の白石恭弥です。」



審判の生徒の目がハートになっている。

周りからも黄色い歓声が聞こえる。



兄貴は、にこやかに万人受けする笑顔を振り撒きながら自己紹介をする。



「はい、免許証ありがとうございます。クリアです!1位ゴール、おめでとうございます!」



「仁、やったな!」



にかっと笑った兄貴は、俺の頭をポンポンと撫でる。





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