第163話



「お姉ちゃん?……ひかりちゃんって……もしかして青沼の妹?」



「そうよ!悪い?」



怒ったひなたさんはそれにすらお怒りモード。



「マジかよ……似てねぇな。」



「……。」



「性格が真逆っすね!」



「ちょっと!どういうこと?」



顔を真っ赤にして怒るひなたさん。

虎さんはもうすでに興味がないようで、此方に視線を移す。



「……姫ちゃん」



「は?……おお!姫ちゃんいるぞ」



「わー!姫ちゃんちわっす!お久しぶりっすね!」



虎さんが私に気づいたことで、龍さんと洸雅さんも私に気づいた。



「あれ、姫ちゃん!や、やあ」



ひなたさんに押されまくっていた恭さんも、私に気づいて声をかけてくれた。

と言うか、逃げてきた。



『こんにちは。……あはは』



恭さんには大変ですねと、苦笑いを返しておいた。



「姫ちゃん、先代たちと知り合い~?」



「どういう関係ですか?」



「まあ、昔から知ってるし……妹みたいものだよ。」



恭さんはね?と確認を取るように私には向かって首を傾げる。

確かに仁に会うのと一緒に恭さん、龍さん、虎さんとは知り合ったし、仁と一緒に妹のように扱ってくれている。



『はい。お世話になってるお兄さんですね。……あの、先代って?』



赤西昴がさらっと言うから聞き流しそうになったが、聞き捨てならない言葉が聞こえた。



「恭さんたちは【白銀】の先代です。恭さんが2代前の総長で、1代前の総長は洸雅さんです。」



『えっ!?』



先代って、亮が言ってたあの?

初めて聞いたけど、仁は知っているのかしら。



「ちょっと!あんたたち可愛い姫に変なことしてないでしょうねぇ!」



「してないっすよ!姫ちゃんガード固いし?」



洸雅さんは中学生の時に、仁に紹介された。

洸雅さんはチャラくこんなことを言っているし、モテモテで女の人を取っ替え引っ替えしていたが、仁の親友である私には口説くようなことはしたことがない。



「……始まる。」



まだ皆聞きたいことがあると、納得していない顔をしている。

しかし、虎さんの一言で一斉にグラウンドを見る。



「後でぜーーーんぶ説明しなさいよ!恭弥っ!」



「頑張れ、恭。」



「恭さんファイトっすね~」



ひなたさんの言葉に恭さんがげっそりとした顔になる。

そんな恭さんの肩に手を置いて、エールを送る龍さん。

からかうように笑いながら励ます洸雅さん。



私にもたくさんの視線が来たが、今はそれよりもグラウンドに集中する。



「これより、借り物・借り人競争を始めます。」



どうやら仁は4番目のようだ。



範囲は学校全体と広範囲だ。

競技が始まると、選手は一斉に走りだし、レーンの真ん中に真ん中に置かれたボックスに手を突っ込む。

そのままボックスからお題の書かれた紙を出すと、各々お題を探しに奔走し始めた。





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