第159話



灰原どんまい。

お前の扱いが可哀想に思えてきた。



「何かあったの?」



『……んー』



「後で聞かせてね。」



『…………何もない。』 



悲しい顔をさせたくないのに、心配してくれている姫を安心させるために姫の頭をポンポンと撫でる。



「プログラム5番、借り物・借り人競争。出場選手は集合場所へ集合してください。」



アナウンスを聞くと、俺と緑川と灰原が立ち上がった。



「じゃあ、いってきますっ!」



「頑張って下さいね。」



「仁、しっかり走るのよ!」



「頑張ってねっ!」



「ファイト~」



5人から声援をもらって、集合場所へと向かった。





《仁side end》





──────────

──────────



《姫乃side》



トイレに行くと言って校舎に向かった仁。

それに続いて席を立った隣に座る灰原一心。



「一心、どこに行くの~?」



「トイレだ。」



それだけ言うとスタスタと歩いていってしまった。



仁を一人にするのが心配だったのに、何を勘違いしたのか赤西昴が声をかけてきた。



「一心のことなら心配しなくても大丈夫~。この学校に一心より強い人物はいないからね~。」



『灰原一心のことは心配してないわ。仁の心配をしているのよ。仁は一人にするのは…………後、戦わせたら仁の方強いと思うわよ?』



「大丈夫よ。仁も子供じゃないんだし。仁って強いの?」



3人が一斉に私に視線を向ける。



『さあね。』



仁は格闘技を習っていた。

普段全く使うことはないけど。

皆、私の曖昧な返事に納得していない顔。



「えーっ!気になる~。それに、3人でお泊まりしたんでしょ?なんで?」



『秘密よ。仁とはよくお泊まりするし。』



詳しく話したら、ひかの告白のこと言わないといけなくなるじゃない。

それはひかが可哀想よ。私が言うことじゃないしね。



「え!いいな~」



羨ましいと声をあげるひか。

ひかはしっかりと仁を女と認識しているから、初恋も思い出に出来ているようだ。

ひかなら誘えばお泊まりくらいできるわよ。



「二人って、そういう関係なの~?」



『そういう関係って?』



「セフレ?」



『ふふふっ……違うわよ。あははっ!』



ひかもひなたさんも赤西昴の言葉を聞いて、クスクスと笑い出した。

赤西昴は笑い出した私たちに吃驚して、目を見張っている。





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