第147話



「後、今日は秀さんが帰ってこられそうなんだって。」 



『…………ほんと?』



仕事に忙しい叔父さんが帰ってくることなんて滅多にない。

本来は会社の社長さんで、オフィスか出張先のホテルにいることが多い。

もともとこの店は父方の祖父母の家だった。

それを叔父さんが貰って、今は俺たちが暮らしている。



「うん。だからご馳走作ろうな。」



『ん!』



よしよしと俺の頭を撫でてくれた。



「ほら、早く食べないと遅れるぞ!」



それからはご飯を残さず食べて、兄貴にプログラムと俺が出る競技を教えた。



「分かった。頑張れよ?いってらっしゃい!」



『……いってきます。』



カラン カラン ガチャンッ



家を出ると丁度姫が来たところだった。



「おはよう、仁!」



『……はよ』



二人で並んで学校へと向かう。

ちなみに、今日の姫は自慢の黒髪ストレートをポニーテールに結わいていてとても可愛い。

いつもの大人っぽい雰囲気が元気でスポーティーな印象になった。



『……似合ってるよ』



「……ありがと」



率直な感想を言うと、ほんのりと頬を染めた姫はボソボソと何かを言っている。



『……ん?』



「な、何でもない!仁っ!誰にでも簡単にそんなこと言っちゃ駄目なんだからね!分かった?」



頬をぷっくりと膨らませて、上目遣いをしながら俺を指差す姫。



姫さんよ、今日はツンデレなんですか。

久しぶりのツンデレに俺の心がきゅんきゅんと悲鳴をあげております。



姫のぷっくりとした頬を人差し指でぷよぷよと押す。

多分俺の頬はだらしないほどに緩んでいるだろう。



姫はふんっと言うとスタスタと歩くスピードをあげる。

置いていかれないようにせっせと足を動かすと、またまた姫がキィーーッと小猿のような声を上げる。



「その長い足を見せびらかさないでよね!もおぉぉぉ!!」



ツンデレと思いきや女王様モード。

今日も朝から忙しく元気な姫ちゃん。



結局、早歩きは疲れたとゆっくりと歩いて学校に到着。

そのまま生徒会室へ行く。



「おはよう。」



「…………。」



「おはようございますっ!」



「お、おはよう……!」



もうすでに生徒会メンバーは集合していて、俺と姫が最後のようだ。

真面目な姫は自分達は1年生だからと、時間は集合時刻の15分前につくようにしようと言っていた。





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