体育祭 午前

第146話



《仁side》



『ふあぁぁぁ~』



おはようございます。

遂にやって参りました。

本日は北高校体育祭当日でございます。



朝から生徒会の仕事があるから、いつもより少し早めに起きる朝。

今日は朝から体育着登校だから制服よりも早く着替えることが出来た。

身支度を整えてから下に降りる。



「おはよう、仁!」



『……はよ』



百点満点の素晴らしい笑顔の兄貴。

この前、女のお客さんが兄貴に告白しているところに遭遇。

やはりこの笑顔に女性はノックダウンするのだと納得した。



「はい。朝御飯しっかり食べないと倒れるぞ?」



『ん……いただきます』



日に日に暑くなってきた今日この頃。

熱中症には気を付けて水分補給出来る飲み物を持ってこいと真守も言っていた。



『……弁当』



普段なら食べている俺の横に忘れないようにと置いてくれているお弁当さんが行方不明。

俺の食生活に口煩い兄貴が忘れるわけもなく、不思議に思って首を傾げる。



「ああ!お弁当は俺が昼に持っていくからな。」



なんと!兄貴がお弁当を届けてくれるのか!

凄く嬉しいことだが、忙しい兄貴に申し訳ない。

昨日も遅くまで掃除をしていたから疲れていて、まだ用意できていないのだ。

やはり俺が自分のお弁当を作るべきなのだな。

でも、面倒くさい。自分で作るくらいなら食べなくていい。



『……いらない』



1日食べなくても死にはしない。

疲弊した兄貴が倒れる方が俺にしたら大事件だ。



しかし、兄貴は目を見開いて慌て始めた。

瞬間移動かと思うほどのスピードで俺の前から消え、隣の席に座った。

そして、俺を自分の方へと向けると少し怒った顔の兄貴。

子供に言い聞かせるように、俺の目線に合わせて真っ直ぐと俺を射抜く。



「仁、兄ちゃんとのご飯の約束は?」



『……お菓子を食べ過ぎない。晩御飯は二人で食べる。……ご飯を抜かない。』



「仁はもう高校生だけど、約束は変わらないよ?」



『……ん。でも、兄貴に悪いし』



でも、今から作るのは時間的に無理だ。



「大丈夫だよ。今日はお店休んで体育祭応援に行くから。」



『…………え?』



今まで学校の行事に家族が来たことがないから、初めてで嬉しい。

周りの人は当たり前のように親が応援に来ていて、それが凄く羨ましかったのを良く覚えている。






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