第143話



「あら?もう一人いるの?」



未だ毛布にくるまっている仁を見たひかのお姉さん───ひなたさん。



『仁!起きて!』



「仁?……もしかして!」



目を見開いたひなたさんは、仁に近づくと毛布を引っ張りあげた。



ドンッ!



毛布から仁が転げ落ちる。



「んー?」



「やっぱり……ひか!」



寝ぼけている仁と、毛布を握りしめてわなわなと震えるひなたさん。



「お、お姉ちゃ……」



「どういうこと?男の子とお泊まりなんて!しかも3人?ちょっと!起きなさいよ!私の可愛い妹に手出してただで帰ると思わないでよ?ひかにはまだ大人の階段は早いわっ!」



「スーーー……」



「お姉ちゃんっ!ご、誤解だよ!」



興奮状態のひなたさんは、仁をガクガクと揺らす。

しかし、そんな状態でも寝続けている仁はさすがだ。

そして、ひなたさんを顔を真っ青させて止めるひか。

収集のつかないこの場に、どうしようかと意外と冷静な私。



「……んー?」



やっと起きた仁は、ひなたさんを見て目をぱちぱちさせている。



「やっと起きた!ひかに手を出したんだから、責任取れるんでしょうね?」



「ん?」



「ん?じゃないわよ!保護者が留守中に!」



「お、お姉ちゃん!落ち着いて!」



状態を理解していない仁、興奮状態のひなたさん、オロオロしているひか。

このどうしようもない場面に溜め息を吐く。



大きく息を吸う。



『ストーーーーープッ!!!!』



精一杯の声を出した。

3人は動きを止めると、一斉に私を見た。



『三人とも、ここに座ってください。』



そう言うとソファーを指差す。

呆気に取られた3人は大人しくソファーに座った。

一人がけのソファーに仁、二人がけのソファーに青沼姉妹。



ひなたさんも誤解したままだし、それじゃあひかが可哀想だ。



『ひなたさんは、仁のことなんて聞いていたんですか?』



「ひかと同じクラスで初恋の人って聞いたわ。」



やはりそう聞いていたか。



『ひか、ひなたさんに言うことがあるんじゃないの?』



「う、うん!あのね……私仁くんに告白して……フラれたの!」



「は?ひかをフッた?こんなに可愛い性格もふわふわで優しいひかを?……どういうことよっ!」



またまた仁に掴みかかろうとするひなたさん。

それを二人の間に入っていたひかが止める。





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