第142話



少し微妙な空気になってしまった。

3人がお互いの顔を見合わせて、暫しの沈黙の後、姫が手招きをし始めた。



「……仁……こっちおいでー」



『…………。』



「もうしないから」と言う二人の言葉を信じて恐る恐る近づき、元の位置に座る。

相変わらず質問攻めされるが、何一つ答えなかった。



「二人の幼馴染みってどんな人がいるの?」



「ワイルド系兄貴肌のイケメン、無口な硬派イケメンとゆるカワ美少年……かしら。」



「……私とは全く違うよね。」



ひかの呟きに、姫が「もしかして、まだ諦めてなかったの?仁は女よ?」と言う目で吃驚している。

俺も吃驚して毛布から顔を出す。



「ま、まあ。男の人だし、ね?」



『……ノーマル』



こんな見た目してるけど女だし、男の人を好きになるよ。



「わっ分かってるよっ!」



これに顔を赤くしたひかは、そのまま毛布に潜ってしまった。

それを見て、俺も眠くなった。

俺が欠伸をしたのを見て、



「もう寝ましょうか。もう1時だし。」



『ん』



「うぅぅぅ~!お、おやすみ!」



不貞腐れて寝てしまったひか。

そんなひかに笑いながら、姫が電気を消してくれた。



「おやすみ。」



『……おやすみ。』



瞼が自然に落ちてくる。

楽しかったな。たまにはこういうのもいいな。





《仁side end》




───────────

      ───────────



《姫side》



ガチャンッ



朝、ドアが開く音で目が覚めた。

隣の仁は全く起きる気配はない。

超低血圧で人に起こされるのが嫌いだから、自分から起きてくれるのを待つしかないか。

朝の仁を起こせるのは恭さんくらいだろう。

私も怖くて起こしたくないもの。



ひかはムクリと起き上がると、大きく伸びをした。



時計を見ると、6時。



ガチャッ



「な、何これ?」



リビングのドアが開き、現れたのは大きなキャリーバックを持った美女。

スラッと伸びた足に女性らしい曲線美、巻かれた茶髪のロングヘアー、目鼻がくっきりしていて゛出来る女〝って感じの人。



「お、おかえり!お姉ちゃんっ!」



ひかはその美女に猪タックルで飛び付いた。



…………お姉ちゃん?ってことはこの人が?

確かに似てない。

ふわふわ系のひかとサバサバ系のお姉さん。



そして、ひかの猪タックルを平然と受け止めている。



「ふふふっ。ただいま!ひかー!」



挨拶しないと失礼だと思い、未だぎゅうぎゅうとお互いを抱き締め合う二人に、近づいた。



「あら?貴女は?」



『ひかの友達で青井姫乃です。おはようございます。』



きっちりと頭を下げて挨拶をした。



「おはよう。貴女が姫ね。ひかが最近よく話してるから知ってるわ。この子友達少ないから、仲良くしてくれてありがとね。私はひかの姉で青沼ひなたです。」



『こちらこそ、ひかにはいつもお世話になってます。』





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