第136話
「誰だったの?」
「ああ、会長よ。わざわざ休んだから電話をくれたみたい。真面目な人よね。仁も?」
コクンと頷くと、ひかが意外な顔をした。
「会長って裏があって怖そうだって思ってたけど、優しい人なんだね。」
確かに裏がありそうだ。
俺もまだ会長のことをよく知らない。
ただ、あの人天然だから、あれが素だって言われても納得してしまう。
「まあ、悪い人ではないでしょうね。」
「そうだ!生徒会ってどんな感じなの?……いっくんたちとは仲良くないみたいだし。」
「そうね……個性豊かで面白い人たちよ。仕事も真面目だし。」
「へー!……二人は生徒会に入るの?」
「いいえ、入らないわ。」
「そ、そうなんだ。」
何処か安心したような顔をした。
もし仮に俺と姫が生徒会に入ったとすると【白銀】のひかや緑川と仲良くしていたら生徒会派と【白銀】派の反感を買うだろう。
それに姫が生徒会に入ったら、灰原が暴れそうだ。
姫が休んだだけで俺に殴りかかろうとするような奴だ。
あれは本当に意味が分からなかった。
本人に連絡すればいいものを、実はシャイだったりするのか?そんなギャップ要らない。
まあ、姫が生徒会に入りたい意志があって、灰原がそれをやめさせようとしたら俺が奴を殴るだろうけど。
全然姫を振り向かせられていないのに。
食べ終わり、片付けが終わるとすでに夜になっていた。
もう帰るのかと思って帰る準備をしていた。
「あら、仁。帰るの?」
『……は?』
帰らないの?と姫を仰ぎ見ると、彼女は満面の笑みでひかを見る。
「ひかー。今日泊まってもいい?」
「えっ!あっ!う、うん。今日お姉ちゃんいないし。」
「ありがとう。ほら、仁もお礼言わないと。」
一人暮らしじゃなかったらしい。
なんとなく、お茶碗が2つあったことやお揃いのマグカップがあったからもしかしたらとは思っていたが、お姉さんがいるようだ。
それよりも彼女には、俺の都合はどうでもいいようだ。
どうせ用事もないけど、兄貴の手伝いしたかった。
アワアワとお風呂や布団の用意を始めたひかを見て、姫が微笑んでいた。
ひかが一人にならないため?
ひかのためか、はたまた今から帰るのが面倒なのか、そんなの考えなくても答えは決まっている。
答えは両者とも。
布団の用意を手伝った。
来客用の布団を貸してもらうことになったが、ここで判明したのが、ひかの部屋で3人で寝るのが無理なこと。
議論した結果、リビングで川の字になろうということになった。
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