親睦会とガールズトーク

第134話



姫と買い物を終え、ひかの家に帰った。

重い荷物をえっさほいさと運ぶ。

大量の料理と飲み物、お菓子。

この子はお泊まり会でもする気なのか?



ガチャ ガチャ ガチャンッ


そして、いつの間に取ってきたのか知らないが、ひかの家の鍵を取り出した姫は、当たり前のように鍵を使い中に入る。



「ただいま~」



「お、おかえり!あれ……鍵は?」



「借りたわ。ありがとう。」



呆気に取られた顔のひかに平然と鍵を返す姫。

勝手に借りちゃ駄目だよ。



そして、キッチンに入ると準備を始める。



姫とひかが野菜やパン、肉類、フルーツを切って盛り付ける。

それを俺がテーブルまで運んで、コップやピックを用意する。

最後に鍋にチーズを入れて火にかける。



「いい匂~い!美味しそ~」



グツグツとチーズのいい匂いが部屋に広がる。



「よし!準備出来た!……飲み物持って!「乾杯っ!」」



「さあ!食べましょ~いただきます!」



「いただきま~す」



『……いただきます』



早速ピックを持ってフランスパンに刺して、チーズに付ける。

パクリと食べると熱々のチーズの香ばしい匂いが鼻から抜けていく。



「「ん~っ!おいひ~!」」



『ん』



美味しい。

チーズフォンデュって初めて食べた。

今度兄貴とやろうかな。



「いつか笑って話せるようになるかな……」



俺が全く別のことを考えていた時、ポツリと消えそうな声でひかが呟いた。

俺は何て言えばいいのか分からなくて、ただひかを見つめることしかできなかった。



「ええ、新しい恋でもすればいつか思い出になるわ。」



「うん……そうだね」



やっぱり姫は優しいな。

優しく背中を押してくれる。



心なしかひかの表情もさっきよりもどこか吹っ切れたように緩んでいた。



すぐに好きだった気持ちを消すことなんて出来ない。

それでも前に進もうとするひかは、強いと思う。

俺はまだ忘れることも消すことも出来てない。

前に進むこともなくその場にとどまり続けるだけ。

このままでいいのか?

そう思っても何も出来ないから悩んでるわけなんだけど。



それからは、二人がする世間話を聞いていた。

流行りのお店や学校のことや体育祭のことなど。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る