第133話
後悔してないと言われて、少しほっとした。
もし、彼女が女に告白したことを気にしていたらと思って、すごく気になっていた。
好きな気持ちの忘れ方なんて、俺も知らないよ。
フラれても好きだって気持ちもよく分かる。
ああ、俺と同じなんだ。
俺とひかは似ているのかもしれない。
俺にありがとうと言った彼女は、涙を流しながら笑っていた。
作り笑いとかじゃない、柔らかい心からの笑顔。
綺麗だと思った。
だから、自然と思ったことが口から出る。
『ひか、女ってこと言ってなくてごめん。ひか、ありがとう。こんな俺のこと好きになってくれて。俺も友達でいたい。』
そう言うと、彼女は「仲直りだね!」と言いながら嬉しそうに笑った。
「よし!パーティーするわよっ!」
はあ、姫は思い付きばったりなんだから。
もう慣れたけどさ。
あと、ここひかの家だよ。
家主の許可を取らずに決めたよ、この子。
「えっ!今から?」
時間を見ると、12時半過ぎ。
思ったよりも時間がたつのが早い。
「そうよ!これを期に親睦を深めましょう?……どうせろくに食べてないんでしょ。」
自分がお腹すいたからだよね。
確かに親睦を深めるのは良いことかもしれない。
それに、ひかの顔色も悪い。
「うっ!そ、そうだけど……今何もない。冷蔵庫空っぽ。」
「なら仁。買いにいきましょう。」
この子、3日食べてないのかな。
やっぱり一人暮らしなのか。
『ん』
「いってきます。」
姫が鞄を持ったのに習って、俺も鞄を持つ。
「う、うん。いってらっしゃい!」
姫の素早い行動に若干まだ付いていってはいなかったが、玄関までお見送りをしてくれた。
『いってくる』
「う、うん!気を付けてね。」
少し元気になった彼女に安心する。
バタンッ
姫が俺と二人で買い物をしに行くと言ったのは、きっとひかのためだ。
姫とひかは俺が来るまでに話が終わっているだろうし、俺とひかを二人っきりにするのは、失恋したばかりのひかには辛いことだ。
姫はそれを考えて、ひかが一人で考えられる時間を作ったのだろう。
本当に思いやりのある自慢の幼馴染みだよ。
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