第127話
次の日、朝起きて洗面所で顔を見ると吃驚してしまった。
真っ赤になった腫れぼったい目。
こんな顔じゃ、学校にはいけないな。
それから3日も学校を休んだ。
していたことと言えば、寝ていただけ。
食欲もなく、歩く気力もなくベッドの上で過ごしていた。
亮くんや梓君、姫も心配して「どうした?」「大丈夫か?」と、メールや電話をくれるが、メールを返して終わる。
隣に住んでいる昴が何度も家に来てくれたが、鼻声の今は話すこともできないから追い返している。
情けない。
失恋すると、だるくて動きたくなくなるんだな。
何かをする気力も湧いて来ない。
仁くんが初恋である私は、もちろん失恋なんて初めてで、どうすればこの負の気持ちから抜け出せる方法が分からない。
ピーン ポーン ピーン ポーン
誰だろう?
時刻は朝8時少し過ぎ。
『はい』
「青井です。ひかりさんに会いたくて来ました。」
『姫?』
「あら、ひかだったの?……開けてくれる?話がしたいの。」
『ごめん。帰って……』
「ひか……一人で塞ぎ込んでいても仕方ないわよ。亮たちに話せないなら、女同士の方が話しやすいんじゃない?少しは楽になるかも。……開けてくれる?」
亮くんたちに言われてきたのかな?
女同士……でも、姫は仁くんの幼なじみ。
私の恋心を知っていて、仁くんのことを知っていた人。
『……うん』
いつまでもこのままじゃダメなのは、自分でも分かってる。
インターホンが鳴り、ドアを開けて中に入ってもらう。
「お邪魔します。」
『うん』
ずっと家にいて、冷蔵庫の中は空っぽで飲み物はお茶しかなかった。
『ごめん、お茶しかないや。お茶でもいいかな?』
「ええ、お構い無く。……ひかって一人暮らしだったのね。」
『うん。本当はお姉ちゃんがいるんだけど、今は海外旅行中なの。』
社会人のお姉ちゃんは、旅行が大好き。
旅行に行くことを生き甲斐にしているような人なのだ。
本当はお姉ちゃんに話を聞いてほしかったけど、居ないし、私が悩んでいたら帰ってきちゃうだろう。
「そう。」
『はい、どうぞ。』
コトン、と姫の前にコップを置き、自分の前にもコップを置く。
姫の隣に座ると「いただきます。」と聞こえて、つられて私もいただきます、と言った。
冷たいお茶が渇いていた喉を潤す。
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