第125話
目は口ほどにものを言う、とはよく言ったものだ。
灰原の目は姫を見て゛愛しい〝と分かる。
他に向けるものとは違い、明らかに優しい。
俺の役割は、姫に好きな人が出来るまで変わることはない。
灰原が姫を好きなだけでは駄目なのだ。
姫が好きにならないと。
姫を守ってくれる人が現れるまで、まだまだ先だな。
そんなことを考えながらご飯を食べ、午後の授業まではいつも通りだった。
しかし、放課後。
「仁くん……お時間いいですか?」
『ん』
帰ろうとする俺をひかが呼び止める。
言われるままに後ろについていくと、中庭についた。
この前同様、人が一人もいない。
「あ、あの……仁くん」
『ん?』
それから暫く「あの」「えっと」と繰り返し、なにかを決心したように口を開いた。
──────
───
─
そして、現在に至ると言うわけです。
言わないといけない。
今まで言わなかった、言えなかったこと。
「いきなりこ、告白されたら……迷惑だよね。でも、抑えられなくて。仁くんのことす、好きな気持ち。」
俺に告白=女に告白になる。
純粋な彼女にこの真実はあまりに酷ではないか?
『……ごめん、ひか。』
ごめんなさい。傷つけてごめん。
ありがとう。こんな俺を好きだと言ってくれて。
『俺……実は、
――――女なんだ。』
《仁Side end》
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