第120話



廊下には、多くの生徒が談笑したりしていた。



「あの二人……ちょーむかつくぅ!」



「どうせ顔と身体で誘惑してるのよっ!」



「調子のってるから…………ふふふっ!」



「おい、今二人だけだぞ?」



「声かけてみる?」



「マジ可愛いわ~」



「ねえねえ…………」



私たちを見て、聞こえるように悪口を言ってくる女子生徒や、話しかけようとしてくる男子生徒の声。

私も、姫のこと可愛いと思う。

外見もだけど、それだけじゃなくて性格もクールに見えて可愛い所がたくさんある。

もしも私が男の子だとしたら、姫に告白していると思う。




姫も慣れてるのか、すべて無視。



しかし、会話の中に仁くんの名前が出てくるとそちらに耳が傾いてしまう。



「ねえ、聞いた?仁くんがぁキスマーク付けてたってぇ」



「え~っ!嘘っ!……私も仁くんにキスマーク付けたい!」



「ねっ!相手誰だろ?あのいつも一緒にいる女?」



「てか、あの女彼女なの?」



「そういえば、最近【白銀】のぶりっ子お姫様が仁くんに媚び売ってるらしいわよ~」



「は?うっざ~。どんだけ男好きなのよ!」



「聞いても仁様無口だもの……はあ、抱いてほしぃ~!」



「彼女無理でも、セフレとか?」



女子たちはきゃあきゃあ言いながら話している。



…………イライラしてくる。

嫌でも耳に入ってくる。

仁くんがセ、セフレとか作るわけない!



隣の姫にも聞こえていたようで、拳を握りしめ女子たちのところに向かっていく。



「ちょっと、仁とひかのこと好き勝手言わないでちょうだい。二人のこと、何も知らないくせに!」



「は?あんた……誰よ。」



「こいつ……青井姫乃よっ!」



「あんた何様のつもりよっ!仁様と一緒にいるからって調子のんじゃないわよっ!」



そういった女子は姫の胸ぐらを掴む。

周りの生徒や教室にいた生徒もなんだ?喧嘩?と野次馬になり群がってくる。



「仁が、あんたたちなんか相手にするわけないじゃない。……離して。」



「こいつ!うっざい!」



未だ姫の胸ぐらを掴む彼女は、手を振り上げた。

固まったままだった私は、焦って二人の間に駆け寄った。



目をぎゅっと瞑り、痛みが来るのをびくびくしながら待つ。

しかし、いつまで経っても痛みは来ない。



「おい、何してるんだ。」



安心するその声が聞こえたことで、恐る恐る瞑っていた目を開ける。




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