第119話



半分以上意味が分からなかった。

仁くんを知ってって?

私の知らない仁くんを知ってもってこと?



絶交?大っ嫌いになる?

いきなり出てきたその言葉に驚いた。

仁くんを否定?

そんなのするわけないよ。



やっぱり、幼なじみの姫は私の知らない仁くんをたくさん知っているんだろう。

私の中にまた真っ黒な感情が顔を出す。



私ってこんなに小さな人間だったんだ。

自分の醜い感情に怖いと思った。






この時は姫の言った言葉を理解できなくて、曖昧に頷いた。

この言葉の本当の意味を知るのは、本当にすぐ後だった。





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『姫、ありがと!』



授業の始まった教室に戻るのもなんなので、姫とガールズトーク中です。

主にお互いの幼馴染みの話。



姫には、仁くんの他にもう一人同じ年の幼馴染みがいるとか、私は特にいっくんの話をした。

いっくんは俺様不器用さんだから、少しでも姫へのアピールになるように話した。

勿論嘘とか話を盛ったりとかじゃなくて、本来のいっくんを知って欲しくて、実際はアピールにならないことを言っていたと思う。

バレたらすごく怖いけど、最後は必ず許してくれる優しいのだ。



4限目の終了を知らせるチャイムが聞こえて、お昼ご飯を食べようと教室に戻ることにした。



廊下を歩いていると、姫の携帯が鳴った。

画面を見た姫は、ごめんと言うとすぐに携帯を耳にあてる。



「もしもし?今から行くわ。……何もないわよ。……ひかと一緒なの。……ええ。」



仁くんかな?

それよりも、隣で聞いていても向こうからは何も聞こえなくて姫が一人で話しているように聞こえる。

姫はなんでこんなに仁くんの言いたいことが分かるのかな?



そういえば、仁くんが休んだ時電話したな。

夜は先代との飲み会があるからって聞いてたから、電話できないかと思ってお昼にした。



好きな人に電話するのって、すごく勇気がいるんだって初めて知った。

寝起きの掠れた声がかっこよくて、自分がしっかり話せていたのか不安だった。

しかも、電話口はいつもより近くに仁くんの声が聞こえて心臓がドキドキし過ぎて痛かった。

今思い出しても顔が赤くなる。



電話も終わったらしく、姫と話ながら廊下を歩いていた。




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