第113話
《恭弥side》
ゆるい尋問も終了し、仁の部屋に入るとベッドに近づく。
すやすやと寝息を立てているのを見て、安心して頭を撫でる。
「……ん、」
ふにゃりと笑って俺の手にすり寄ってくるのが、猫みたいですごく可愛い。
『ふふふっ』
もぞもぞと毛布を蹴飛ばしたので、かけ直そうとしたら首筋と鎖骨の辺りに蚊に刺されのような赤い点がある。
────キスマーク
『チッ……龍の奴めっ!!!』
仁に毛布をかけ直し、もう一撫ですると部屋を出る。
早足に階段を降りると、一直線に龍の元へ歩く。
「恭さんっ!おかえりなさい!」
皆が声をかけてくれるのも答える余裕がない。
「龍さん、殴られたんすか?」
「うへー、いったそ~。」
「すげぇ痛てぇよっ!いってぇ!」
洸雅が龍の頬をつついている。
「恭!?」
バッキィィッ ガシャンッ
さっきと同じ側の頬をもう一発龍の頬を殴り付ける。
「きょ、恭さんっ!」
「落ち着いてください!」
皆に押さえつけられ、俺も冷静になった。
「……恭?」
虎が驚いたように目を見張る。
さっき殴って解決したのに、どうしたんだ?と。
『もう殴らないから大丈夫だ。』
出た声は抑揚がなく、無機質なものだった。
洸雅に起こされている龍に近づく。
龍も何がどうなったのか、困惑した顔をして俺を見る。
「きょう?」
黙って自分の首筋と鎖骨の辺りを指差し、首を傾げる。
周りは何のことか分かってないようだが、龍はまずいって顔をして「あっ」と声をあげたのを聞いて確信する。
「……どうした。」
虎が俺に耳打ちするが、龍から目を離さない。
「は……ははっ、」
『虎、宣戦布告されたな。』
何かを感じ取った虎は゛上等〝と言って、席に戻っていった。
『皆ごめんね?もう解決したから。……さっ!続きしよう!』
パンパンと手を叩き、声をかける。
戸惑いながらもすぐにいつものどんちゃん騒ぎになった。
「喧嘩ですか?」
俺の隣に来た一心たち現在の【白銀】メンバー。
『はははっ!喧嘩じゃないよ?ね!龍。』
「あ、ああ。騒がしくて悪かったな。」
ほっとした後輩たちを見て、心配させてしまったと申し訳ない気持ちになった。
「喧嘩じゃなくて良かったです。」
「妹ちゃん~大丈夫でしたか~?」
「あ!もしかして~龍さんが手出してたとか?まさか……」
梓が安心したように微笑み、悠真と昴が龍をチラリと見て質問してきた。
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