第106話



なんとも新鮮な気持ちになった。



『大丈夫?さっき真守もぶつけてたんだ。気を付けてね?』



「恭さんっ!それは掘り返さないでください!」



真守の反論の声もスルー。



「俺は龍。んで、隣のこいつが双子の弟の虎。喋んねぇけど、気にしなくでくれ。よろしくな。」



「は、はい!よろしくお願いします!」



それから順々に自己紹介していくのを、一人ずつ終わる度に、丁寧に頭を下げてよろしくお願いします、と挨拶してくれた。



…………ドジッ子気さく女子。



『君の名前は?ああ、名字は言わなくてもいいからね。』



【白銀】は色々抱えている奴が多いから、昔からの知り合いじゃない限り名字は知らない。



「えっと!ひかりって言います!よろしくお願いしますっ!」



口々によろしく、と言われるのをわざわざ頭を下げて対応している。



『楽にして良いよ?……ちょっと続けててくれる?』



2階から大きな物音がした。

もしかしたら、仁が起きたのかもしれない。

心配になって見に行こうと席を立ったが、



「俺が行く。」



『あ!……おいっ!』



そういうや否や、龍が店の奥の方に行ってしまった。

酒を飲んでいて酔っていたら、何をするか分からない龍に行かせて大丈夫なものなのか。



「大丈夫ですよ!恭さんっ!……虎さんも!二人とも龍さんに任せましょう。」



『あ、ああ。』



「どうしたんですか?」



俺と虎を宥める真守。

緑色の頭の亮太が不思議そうに俺たちの顔を見る。



「あー!恭さんもしかして……女連れ込んでるとか?」



そんなことを言う黒っぽい赤髪の昴は、俺を見ながらニヤニヤしている。



『そんなわけないだろ?』



「ちぇ~恭さんのスクープかと~思ったのに~!」



口を尖らせながら残念そうに言う銀髪の悠真。

悠真のことは、元々仁の幼馴染みということで知っている。



「恭さんの妹っすよ!」



ここで話に入ってきたのは洸雅。



「……妹?」



一心は無表情なまま、首を傾けている。



『ああ、言ったこと無かったか。俺が妹いるって。』



「はい。初耳です。」



「恭さんは~妹に男近づけたくないんすよ。だから、今龍さんが行ったのも、本当は内心今すぐ自分がいきたいんですよね~」



「恭さんは重度のシスコンなんだよ」



真守、洸雅コンビがズバズバと言っていくが、なんか、威厳とかなくなりそうじゃないか?

いやまあ、事実なんだけどさ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る