第103話
龍と虎は俺と目を合わせようとしない。
仁のこと女として見てるもんな~こいつら。
じーっと見ていると、他の奴らも二人を見る。
双子だけに反応はそっくり揃っていて、見ている方角が同じだった。
ここにいるメンバーは、高校卒業してから龍と虎が仁のことをどう思っているのか知ったようで、それまでは全く気がつかなかったらしい。
上手く隠していたようだ。
「そっすね!胸なんて男に揉ん……ぐはっ!」
まだ言う奴には俺から拳骨をプレゼントしておきました。
若干数名頭にたんこぶが出来たが、知らない知らない。
『座っていいから』
ぞろぞろと皆が席につくのを見ながら、お酒を取りにカウンターに向かう。
「手伝います!」
真守が俺の後に続いてカウンターに入り、酒の缶や瓶を運んでくれた。
俺は、氷やグラス、マドラーなどをお盆にのせて持っていく。
「あいつらいつ来るんだ?」
待てない、と龍が催促する。
『ああ、道路が渋滞しててまだ来れないってさっき連絡きた。』
「なら、先始めようぜっ!」
『そうだな。』
「ではでは……乾杯~っ!」
龍の乾杯の音頭で皆が飲み始める。
話は専ら仕事の話。
「そうだ!恭さん!俺のクラスに新しい副担が来たんですよ~それがまた、優男って感じの奴で!」
真守が俺の隣に来ると、学校の話をした。
仁はあまり学校の話はしないから、貴重である。
「こんな中途半端な時期に?誰か辞めたのか?」
龍も虎も興味があるようで、会話に入ってきた。
「いや、元々そいつは来る予定だったんですけど……ちょうど副担だった先生が辞めたんで、その穴埋めですね。」
『ふ~ん。なんで辞めたの?』
なんかタイミング良すぎじゃない?
考えすぎかな。
「それが分かんないんですよね。秀さんに聞いても、いきなり退職届出して連絡とれなくなったって、困ってたらしいですよ。」
「名前は?」
「東山豪って奴です。」
東山豪…………聞いたことないな。
「今のところ何もなく、今日仁さんと会っても普通でしたよ。……そういえば、昨日どうしたんですか?朝に恭さんから電話来て吃驚しました!」
「ん?なんでだ?」
龍が話の続きを促す。
「仁さんが休んだですよ……サボりなら恭さん連絡しないだろうから、ガチの体調不良ですか?」
『…………。』
「恭さん?」
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