後輩

第102話



《恭弥side》



今日は早く営業を終えて、仁も手伝いが終わると寝てしまった。



姫ちゃんと帰ってきた仁は、二人で体育祭の話で盛り上がっていた。



…………行きたい。ビデオ撮りたい。

入学式は行けなかった。

でも、今度こそは!妹の勇姿を撮りたい!



ビデオカメラも用意して、もう行く気満々だ。

次は龍や虎に言わないで行くと決めた。



カランカラン、と聞きなれた鈴の音が店内に響く。



「おーっす!」



「……。」



「恭さん!こんにちはー!」



「こんちは~!あれ?なんか客いないっすね。」



『いらっしゃい~……お前らが大人数でくるからだよ!他のお客さんに迷惑かけるだろう?』



すまんすまん、と全く悪びれもなく言いながら、ぞろぞろと悪友たちが入ってくる。

今日の営業を早く終わらせた理由は、こいつらが来るから。

それだけなら気にしないが、これから後輩たちも来る。

不良と言われる奴らがたくさん来るから、他のお客さんに迷惑をかけないためと、未成年の後輩たちも酒を飲むからだ。



「仁さんは?」



『もうとっくに寝てる。』



「まだ11時だぞ?餓鬼か。」



『寝る子は育つからいいの!』



「あれ以上身長伸ばすんですか?」



「真守さん……胸っすよ!」



バコッ



「てめぇ仁のどこ見てんだよ!」



「龍さん!痛いっすよー!いや~成長が見れな……あいたたたたたっ!!と、虎さん!変なっ!変な方向に!腕がっ!」



『……黙れよ。』



可愛いじゃん。

お風呂上がりには必ず牛乳飲んでるんだよ?

俺としてはいつまでも子供のままでいてほしいよ。

嫁にとか出したくないし。

確かに平均より高身長だけど、スタイルも良い。



『人の妹を変な色目で見てんじゃねぇよ。……目潰すぞ。』



店の中がシーンとして、室温も下がった気がした。

皆、顔を真っ青にして口の端をひくつかせている奴や白目を剥いている奴もいる。

前半部分は本心だけど、さすがに目を潰すは冗談だって分かってるだろ?

ただの脅しであって本気でやんないから、そんなに青くならなくていいのに。



『まあ、仁が可愛すぎて変な色目を向けるのも理解できる。仁が可愛いのは俺が一番知ってるからな。』



うんうん、と腕を組んで頷いてみた。



『後……仁の胸問題は本人が一番悩んでるんだよ。デリケートな問題なんだよ。絶対仁に言うなよ?分かったか。』



「「「「は、はいっっ!!!!」」」」






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