第94話



離れて2年。

やることは昔から変わらない。

久しぶりに再会出来て良かったと思った。



「そういえば~朝は凄かったね~女の声がすーごく聞こえた~」



ここまで聞こえていたのか。

確かにここは、先ほどから校舎内の声が聞こえている。



「仁がモテモテで大変だったのよ。」



はあ、と俺を見ながら溜め息をつく。



「仁は昔から~天然タラシだもんね~」



「そうなのよ。無自覚って一番怖いわよね~」



『……。』


タラシじゃない。

しかも天然でも無自覚でもねぇよ。



それは悪口ですか?本人目の前にいますよ。

じとっとした目で俺を見る二人に思わずブスッとした顔になる。




「「拗ねた~」」



俺が拗ねるのを分かっていて言う二人は、確信犯だ。



『……む』



「「可愛い~」」



……もう疲れるよこの二人。

こういう時は無視に限る。



暫く3人で話し込んでいると、チャイムがなった。



え?今何時?



「あ~お昼だ~!お腹ペコペコ~。」



お昼?嘘だ。4時間も話し込んでいたってこと?



「教室戻りましょうか。」



「え~一緒に食べようよ~」



そう言うと、くれはるは何処からか鞄を持ってきてパンを掲げている。



「鞄を置いてきたのよ。」



『……帰る』



午前中サボったのだから、午後も出なくても一緒だ。



「駄目よ!6限に体育祭の種目決めがあるんだから。それに、生徒会!」



「そっか~そういえば二人とも生徒会体験中なんだよね~」



「何で知ってるの?」



「二人は有名人だからね~」



『……ん?』



なんで?なんか目立つことしたっけ?

思い出してみると、新入生歓迎会で注目されていたことを思い出した。

あの時かな?



「姫と姫を守る騎士みたい~って言われてたの聞いた~。姫への忠誠心?みたいなのが羨ましい~って言われてたよ~」



姫?騎士?どっから出てきたの。

姫乃からかな。



「何それ。ふふふっ」



「ほら~時間なくなるから、取ってきて~」



くれはるに背中を押されて、教室に向かった。






《仁side end》




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