旧友

第89話



《仁side》



昼に起きて、うどんを少し食べてまた寝て……。

寝る時は兄貴がそばにいてくれたお陰で夢を見ることもなかった。



夕方になり、公園に行ってベンチに座りながら待つ。



来てくれるだろうか。



15分くらいぼーっと待っていた。

気づくと暗くなりかけていた。



「仁か?」



『……ひーくん』



声ですぐにひーくんだって分かった。



「おいっ!顔真っ青じゃねぇか!」



『…………ん』



ひーくんもベンチに座ると、膝を叩いた。

意味がわからず首を傾ける。



「寝ろ。寝ながらでも話せるだろ?」



黙って膝を借りる。



姫とひかとは違い、硬い膝。

それでも、包み込んでくれるような優しさはすごく伝わってきた。



「なんかあったのか。……悩みか?俺みたいな歳になっても悩みはなくならねぇ。若いなら尚更だ。……仁、お前ダチ少なそうだな。」



失礼だな。まあ、事実だけど。



『んー』



せめてもの抵抗に頭をグリグリする。



「くっくっ……くすぐってぇな。……悪い悪い。ダチは人数じゃねぇ。量より質だ。悩みを相談できるダチが一人でもいれば良い方だ。家族に言えないことでも、ダチになら言えるだろ?……俺とお前はダチだろ?」



言えるだろ?ってことか。

でもまだ会って2回目だよ?

そんなにすぐ友達だってならないよ。



そう思っても、ひーくんには引き寄せられる魅力みたいなものがあるのかな。

口を開くことができた。



『……怖い夢……見ただけ。』



こんなこと、会って2回の人になんて言わないのに。

今日はおかしい。



『……忘れたいのに……俺を追いかけてくる。』



「仁……それは過去か?」



『ん』



「過去って言い切れるなら、怖いことはねぇよ。……もしも、また追いかけてきた時は………俺が助けてやる。」



……恥ずかしいことをこのイケメンはっ!

俺が照れてしまった。



「おっ!耳まで赤くなっているぞ?くっくっくっ……顔色少しはましになったんじゃねぇか?」



ひーくんと話せて、落ち着くことができた。



『ひーくん……ありがと……』



「可愛い娘が出来たみてぇだな。はははっ!」



頭をわしゃわしゃと撫でられる。




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