第82話



今日は、体育祭1週間前。

つまり、委員会会議の日である。

学校に行かないと……。



怠い体に鞭を打って制服に着替え、兄貴のいる下に降りる。



「ご飯食べれる?」



正直食欲はない。

それでも作ってくれたのに、残すのも悪い。



『……いただきます。』



味噌汁を飲むが、飲んだものが上がってきて



『うっ……』



そのままトイレに駆け込んだ。



『げほっ……げほっ……うぅっ』



トイレから出ると、兄貴がドアのところにいた。




「仁、やっぱり休もうね。」



首を振る。



今日は会議がある。休んだら悪い。

それに姫を一人で登下校させることになる。



「駄目だよ。休むの。もうすぐ体育祭だろ?」



『……でも、』



そのまま部屋に連れていかれる。

されるがままにパジャマに着替えさせられ、ベッドの中へ。



「姫ちゃんには電話しておくから。」



『……ごめん』



だるい身体が布団に埋まる感覚が心地良い。



「寝るまで手、握ってるから。」



『ん』



「お休み。」



ぎゅっと兄貴の手を握る。

ゆっくりと瞼が落ちてきて、意識が暗闇に落ちていく。






ゲッコォ ゲッコォ ゲロゲ~ロ



お気に入りの着信音で目が覚めた。



面倒くさい。起きたくない。

しかし、俺に電話してくるのは姫か兄貴たち位の限られた人間。

緊急の連絡なのかもしれない。



画面を見るが、知らない番号。

無視しようかな……

でも、間違い電話なら教えてあげるべきなのか?



とにかく出てみることにしよう。



ゲッコォ ゲッコォ ゲロゲ~……ピッ!



『……。』



「……えっ!あ、あの!じ、仁くんの携帯ですか?」



『……。』



「じ、仁くん?ひ、ひかり……です。」



ひかり……ひか?

ああ、そういえば番号教えたな。

後で登録しておかないと、分からない。



『……ん。ひか……』



「は、はいっ!……えっと!具合大丈夫かなって思って電話……し、たんだけど……迷惑だった、かな?……じ、仁くんの声も聞きたかったし……あの、お大事にっ!あっ……またが、学校でね……」



『ん……ありがと』



「ば、ばいばいっ!」



『ん』





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