第73話



そういうところが仁の良いところなんだけどね。



後に十日後は体育祭。

それが終われば、体験も終わりになる。



今まで仁関係で女子からの反感は買ってきた。

しかし、今回は生徒会と新入生歓迎会の灰原一心のこともあり、前にもまして陰口や呼び出しと言う名のお手紙が机の中に入れられている。



『仁、モテモテね』



染々と思ったことを言ったが、仁はムスッとしてしまう。



「……んー」



ゴロンと正座していた私の膝に頭を乗せてきた。

甘えた時の仁は膝枕が好きで、時々恭さんにもしてもらっているのを見る。



本当に猫みたい。

ふわふわの黒髪に触れる。



「んー……」



寝てしまった仁を見て、私もぽかぽかとしたこの気温にやられてしまった。

後ろにあるフェンスに持たれかかる。

重くなる瞼に逆らうことなく目を閉じる。



『「スーーー…………」』



そのまま眠りに落ちてしまった。



『ん……』



チャイムを聞いて起きると、時刻は午後3時5分。

丁度6限の終わりを知らせるチャイムだ。

2時間程寝てしまったらしい。



「起きたか」



すぐ隣からの低い声に、頭が覚醒する。

パッチリと目が開いて起きたら、どうやら私は肩を借りて寝ていた。

吃驚して立ち上げると、此方を不服そうに見上げる男─────灰原一心!?



「おはようございます」



「お、おはよ~もうおそよおかな?」



「ほら!仁も起きろよ~……マジで起きねぇ」



「仁ちゃんよ~姫ちゃんお目覚めしたぜ?」



黄崎梓、ひか、亮、赤西昴の順で話しかけてきた。



『お、おはよ?』



何でこの人たちがここにいるの?



そこで膝枕していたはずの仁がいないことに気づいた。

仁は、ひかの膝の上にいた。珍しい。

親しい人の膝枕でしか寝ないのに、ひかには気を許していると言うことだろう。



少し妬いてしまう。

私、性格悪いな。



仁に友達が出来て嬉しいのに、私よりも親しくなられたらと思うと嫉妬してしまった。

クラスの子とも話すようになったが、私の友達と呼べる人は仁しかいない。







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