第74話



まあ、他のメンバーのことはまだ分からないけど、ひかと亮は私も仲良くなれそうだと素直に思う。



状況を確認したことで少し落ち着くことができた。

ひかの隣に移動して腰を下ろした。

やはり仁が近くにいないと落ち着かない。



「チッ」



灰原が舌打ちをしたことで、隣にいるひかの肩がビクッと上がる。



…………大丈夫かしら?



新入生歓迎会の後から、このメンバーに囲まれることが増えた。

そうすると、だいたいの関係図が分かってくる。

これがまた面白いのだ。



皆幼なじみでも、それぞれ抱えているものは違うようだ。




それよりも、



『なんてあんたたちがここにいるの?』



いや、屋上は皆の場所だけど普段はどこかの空き教室にいるって言っていたのに。



「ん~?二人に会いたくてかな~」



何とも適当な返答をしたのは赤西昴。



「昴は説明が曖昧過ぎるよっ!あのねっ!二人と話したくて探してたら、屋上にいるの見つけたの。それで皆で二人が起きるのを待ってたの!」



ひかがほんのり頬を染め、仁の頭を遠慮がちに撫でながら説明してくれた。




……ひかってやっぱり?




『はぁ』



これからの仁のことを思って溜め息を吐いた。



「嫌……だった?」



此方を伺うように亮が不安の声を出した。

それに従って、他のメンバーも私を見る。



『いいえ、嫌じゃないわ。……ただ、黄崎先輩は嫌なんじゃないですか?』



今まで思っていたことを口にした。

灰原一心以外は、吃驚したように目を見開いていたり、口をあんぐりと開けていたりしている。

これはきっと私が気がついたことに驚いているのだろう。

幼なじみでいつも一緒にいる彼らが黄崎梓の本心に気がついていない訳がない。



本人も気づかれているとは思っていなかったのだろう。

こういう人の気持ちに敏感な私と仁は、黄崎梓が他のメンバーと私たちのところに来ても、積極的に会話に入ろうとはしなかった。

灰原一心も口数は少ないけど。



黄崎梓は、私と仁を疑うような怪訝な目で観察してきていた。

本人は無意識だろうが意識しての行動だろうが、そんなことはどちらでも良い。



結果的に彼の本心が出ていることなのだから。



「……ただの女って訳じゃないってことですね。何者なんですか?」



『何者って聞かれても……普通のどこにでもいる女子高生です?』




何者とか聞かれても困る。

もっとウケを狙うようなことが言えたら良かったな。

本当につまらない返事。




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