第65話



「甘いものとか食べるの?」



……姫よ。そこなのか?



「うんっ!食べるよ!昴は甘党だし、私と亮くんも甘いもの大好きなの!」



灰原と黄崎は食べないってことじゃん。



「仁くん……嫌?」



『ん』



どんなに可愛らしくうるうるお目目で上目遣いされても、嫌なものは嫌。



「そっか~……姫は?」



「そうね……嫌でもないわ。最近、大人数も楽しいかもって思えるようになった…かも」



姫は、前に進もうとしてるんだ。

それなら俺は────



『姫が良いなら良い』



「え?」



『姫が良いならあいつら一緒でも』



「「本当っ!?」」



姫の心の邪魔はしたくない。

あいつらは好きじゃないけど、姫を前に進ませてくれるなら、俺のことなんてどうでもいい。



まだ向こうの本心は掴みきれないから、用心に越したことはない。



緑川とひかがぴょんぴょんと跳ね回るのが可愛い。

最近頬が緩みやすい。



『っふ』



「仁~色気振りまくな~!」



これは緑川のお決まりのセリフ。

なんでも、俺は笑うと色気が出るらしい。

自分ではよく分かんないけど。



「じゃあ!誘っておくから!」



チャイムがなり、昼休みの終わりを告げる。



「そういえば仁、そろそろ髪伸びたんじゃない?」



隣の席に座った姫が俺の髪に手を伸ばしながら言ってきた。



『ん?』



そうかな。

もう3ヶ月前?あれ4ヶ月?いつ切ったっけ?



「伸ばしてるの?」



『んー』



首を振り、否定する。

伸ばさないよ。



そうだ、夏前に切るか。

暑いし洗うのとか乾かすの大変だからね。



いつも美容院は同じ人に切ってもらっている。

そういえば、移動したって言ってたな。

予約とらないと、人気だし。



そこからは授業に出て、放課後は生徒会の補佐をやった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る