第61話
「どうぞ、粗茶ですが。」
「ありがとうございます。」
会長が熱々の紅茶を淹れてくれた。
今この部屋にいるのは、俺と姫、会長と副会長だけ。
「他の役員は、今日は掃除で遅くなるようなんだ。でも、もうすぐ来るはずだよ。」
「…………。」
会長は、愛想の良い笑顔を向けてくるのに対し、副会長は俺のことをじーっと見ている。
まるで俺が何かしないか、監視しているようだ。
しかし、そこまで長い時間でもなく、少しすると何やら書類に目を通し、パソコンを操作している。
タイピングが速かった。カタカタとリズムよくキーを叩く音が部屋に響く。
会長も、書類に目を通すと、判子を押したりペンを走らせている。
やはり生徒会の仕事は忙しいらしい。
何かをするわけでもなく、でも少し落ち着かない気持ちで紅茶を冷ましていた。
猫舌だからね。ずっとふうふうしていた。
香りがすごく良い。
姫もそわそわとしていている。
することもないから、部屋を観察した。
ドアは焦げ茶色で、重厚感のある。
中は真ん中に脚の短い長テーブルがあり、それを囲うようにソファーが置いてある。さらにそのソファーの周りには、個人の机と椅子が6個ずつ等間隔で配置されている。
大雑把な感じになったけど、このくらいで終了。
観察するのも飽きてしまったと空を仰いだ時、扉がゆっくりと開く。
「遅くなりました!すみませんっ!」
「えっと!ごめんなさい。……ごめんなさい。」
男女が来たことで、会長と副会長も顔を上げ、皆で俺と姫がいる真ん中のソファーに来た。
「いいよ。お疲れ様。……皆揃ったことだし、自己紹介でもしようかな。この前もしたけど、僕は生徒会長の紫崎雅人。3年A組だよ。趣味は園芸かな。屋上で栽培してるから今度見においで?よろしくね。」
「……副会長……紫崎雅……」
「雅は僕と同じクラスなんだ。」
この二人の自己紹介は聞いたが、改めて自己紹介してくれた。
「次は私ですかね。私は書記の黒木馨ですっ!2年C組です!趣味は、走ることですっ!好きな科目は体育で、幼少期から剣道を習っています!よろしくお願いしますっ!」
黒木馨───礼儀正しくて、ハキハキした“元気”って言葉が似合う女子。
150㎝あるかないかの小柄な体格。
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