第2章
生徒会
第60話
《仁side》
あの新入生歓迎会から一週間。
俺と姫は生徒会室にいる。
歓迎会の次の日の昼休みから、緑川とひかにしつこい程誘われるようになった。
断るとご丁寧にも【白銀】の幹部たちが揃って教室に来るようになった。
────目的は姫。
しかし、何故か俺に探るような目を向けて、ほっといてくれればいいのに絡んでくるようになった。
姫は俺から離れないし、俺も姫から離れない。
だから必然的に姫と俺は、幹部たちと食べるようになった。
よく喋りかけてくるのが赤西とか言う奴。
俺は喋らないから、基本は姫が話すけど。
姫と幹部が話すたびに、灰原から圧力が伝わってくる。
そして、教室にいる女子も男子も興奮気味で、他のクラスの生徒もわざわざ見に来るほど。
こいつらは、人気らしい。
おかげで、ひかと姫への嫉妬の目と俺に対する好奇な目がうざったい。
動物園のパンダになった気分だ。
そのせいで、俺も姫もイライラが募る。
こいつらも舌打ちしたりで、苛ついているようだ。
…………苛つくぐらいなら、来るなよ。
平穏な学校生活からどんどん離れていっている気がする。
「白石くん、どうしたんだい?」
ああ、いけないいけない。
どうやらトリップしてしまっていたようだ。
会長の呼びかけによって、現実へと引き戻された。
『ん』
「なんでもないそうです」
姫、ありがとう。
咄嗟に『ん』しか言えなかった。
今まで兄貴や姫、龍ちゃんと虎くん、伯父さんに兄貴の悪友たち、と数えられる位としか関わって来なかった俺はどんどん口数が減った。
その理由は、有り難いことに俺の言いたいことを感じ取ってくれるからだ。
やはり、言葉にしないと伝わらないことはあるが、簡単なものなら正確に分かってくれる。
後は、楽だから。口下手だし。
高校で、こんなに多くの人と関わるつもりはなかった。
中学同様、姫だけだと思っていたのに。
人生何があるか、分からないものだ。
今も姫がいれば他はどうでもいいと思っている。
そこは変わることはないだろう。
しかし、友達というものが出来るとは思っていなかった。
友達とは、ひかのことだ。
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