第22話



───人の声?



それは、男の人の声と骨と骨がぶつかる音。それから、゛カラカラ〝と何かを引きずる音。



普段なら行かないだろう。

でも、何故かこの時は自然と音に足が向かっていた。



『っっ……!』



そこでは、1人の男の人が10人くらいの男の人たちに囲まれていた。1人の男の人は、金髪で北高の制服を着ている。10人の男の人たちは、見たところ西高の制服を着ている。金髪の足元には、5人程の西高の人が倒れている。さっきの骨と骨がぶつかる音は、金髪がこの人たちを殴った音ようだ。後ろの方には鉄パイプを引きずる人が数人。゛カラカラ〝の正体は、鉄パイプだった。



……ヤバいでしょっ!これは!てか、15対1とか卑怯だ!



西高の1人が金髪の後ろにはゆっくりと近づいて、鉄パイプを振りかざす─────



ガンッッ!!!!!



スクールバックが振りかざされていた鉄パイプに見事命中

……やったぁぁ!!ナイスコントロール私!



1人喜んでいると、たくさんの鋭い視線を感じた。

前を見ると、10人の西高生たちに睨まれ、金髪は、驚いたような表情をした。



「おい!女っ!てめぇ何すんだ!!」



鉄パイプを振りかざしていた男が私に近づいて来て、胸ぐらを捕まれた。



はぁ……幼稚な行動ね。

何すんだって?



『気分が悪かったから』



当たり前でしょ。

あんなの見せられたら。



「は?」



『大人数で!しかも、もの使って喧嘩なんて汚いマネしてるのにムカついたからよ!男なら正々堂々戦いなさいよっ!!』



キッと男を睨み付ける。



「っ!……てめぇ、なめたこと言ってんじゃねぇよ!」



『あら、私間違ったこと言ったかしら?私、曲がったこと嫌いなの』



「女の癖に!」



胸ぐらを掴んでいる男が殴ろうと拳を振り上げ……



バキッッ!!



私の胸ぐらからは男の手はなく、いや……いきなり目の前から消えた。



……あれ?どこに行った?



横を見ると、さっきの男が壁に背を預けて伸びている。

今の一瞬で何が?



「おい」



声のする方を見ると……




さっきまで男たちに囲まれていた金髪の北高生が目の前にいた。



しかも、その後ろには囲んでいた西高生が地面で伸びている。



あの数秒の間で…………すごっ!この金髪めっちゃ強いんじゃん!もしかしたら私余計なことした?



「…………りがとな。」



『……え?』



「……助かった。」



金髪は口端を少し上げ、私を見つめている。



ドクンッ



…………え?何?なんか、心臓痛い…。苦しい。



『うっ、うん!!怪我してない?』



「……ああ。お前は?」



『うん!大丈夫!こっちこそ、助けてくれてありがとうねっ!』



心配してくれたのが嬉しくて、思わず頬が緩む。




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