第21話

《仁side》



まだまだ歓迎会は終わりません。



皆お酒も飲んでとても盛り上がっている中、真守が遅れてやってきた。



「盛り上がってますね~俺にも酒ください!二人とも入学おめでとうございます!恭さん、聞いてください!俺二人の担任になったんですっ!」



真守は普段敬語で、兄貴をすごく尊敬していると初めて会ったときから飽きることなく俺に語ってくる。



「そうなのか!よろしく頼むぞ!」



「はい!二人ともあんまサボらないでくださいね~」



…………頑張るよ。

朝起きれる気がしないんだけど。どうしようかな。

1週間前、目覚まし時計壊れてそのまんまだから、姫が電話してくれなかったら今日起きられなかったな。

買いに行かないと。



『姫』



「……はぁーい」



俺は店の奥の席を指差し、そこに座る。

姫と向かい合い、じーっと姫を見つめる。



「仁?」



兄貴たちが俺たちの異様な空気に気がついて、近づいてきた。

…………姫が話しやすいように隅に来たのに、兄貴たちが来たら意味ねぇよ。



『姫』



もう、何でもいいや。早く話してくれ。



「うん…………あのね、」





《仁side end》




─────

   ─────



《姫乃side》



今日は珍しく寝坊しちゃって、もしかしたら仁が待ってるかもしれないって思って電話したけど出なかった。



まだ寝てるのかな?



仁は、電話に必ず出てくれる。寝ているとき以外は。

そして、私の所にも電話が来ていない。

つまり、まだ寝ている可能性がある。

でも、恭さん起こしてくれそうだけどな。



それでも急いで準備をする。その間に、仁を起こすべく電話をかけ続けながら。



やっと電話に出た仁は、やはり寝ていたらしい。

てか、超眠そう……これは夜更かししたな~

もう!昨日あれだけ言ったのに!

まあ、私も人のこと言えないけど……寝坊したし。



家を出て、早足で繁華街を歩く。



…………ん?何の音?



路地裏から何かの音が聞こえてきて、近づいて耳を澄ましてみる。






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