第16話
「『遅れてすみませーん!』」
教室を見渡すと、一人の男子生徒が立っている。
どうやら自己紹介中だったらしい。
タイミング悪かったな……。
「おい!遅いぞっ!」
その声の主は、教卓の所に立っている担任───真守さん
この人は俺たちの先代。しかも、元親衛隊長。
『「すみません!」なかなか抜けられなくて!』
真守さんの顔が般若に見える。
……やばいっ!死ぬっ!!
背中に冷たい汗が流れる。
しかし、真守さんは
「早く座れ!」と言うだけだった。
「『はいっ!』」
珍しい!どうしたんだろう。
ひかと顔見合わせて、はてなを浮かべる。
空いているのは窓側の一番後ろとその隣。俺は窓側に座った。
さっきまで自己紹介をしていたのは、前の席の男。
しかし、その男は俺たちと同時に座った。
終わったのか……?
真守さんが少し焦ったように目の前の男に自己紹介の続きを促している。
終わってないのに座ったのかよっ!
後ろの俺からはよく見えないが、男から黒いオーラが出ていた。真守さんは目をそらし、クラスメイトたちは肩をビクつかせ、顔を真っ青にしている。
あ、あいつ白目剥いてる。
そして、男は立ち上がると
「……白石」と名字だけ言って座って窓の外へと顔を向けている。
たった4文字の言葉でも、そいつのことがすごく気になった。きっと、いっくんと同じで人を惹き付ける魅力があるんだ。
てか、声が良い!
男にしては少し高いけど、落ち着いた透き通った声。
もっと聞きたい。
不思議な雰囲気のそいつの顔がすごく気になった。
なんでフード被ってんだ?
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