第9話

「「「えっ?」」」



俺の奇行に3人は驚き目を見開いて、俺を上目遣いで見てくる。

なんだこいつら……可愛い。

触ってしまったものは仕方ない、俺はそのまま青沼の頭を優しく撫でた。

頬が緩むのが自分でも分かる。



そんな俺を見て、何故か3人は頬を染めた。

緑川はトマトに見えてきた。

青沼は涙目になっている。

嫌だったのかな。

それは悪いことをしてしまった。



『……ごめん』



青沼のふわふわの髪から手を離して謝罪する。

悪いと思ったら謝る。

当たり前のことだ。

そんな俺を青沼は目を見開き見つめてきたかと思うと、より一層顔を真っ赤にさせた。



『……ん?』



そんな反応されても困ってしまう。

俺はどうしたらいいのだ。



「ごめんね?こいつ無愛想で口下手なだけで、悪い子じゃないから。」



姫がフォローしてくれている。

これはいつものことだ。



「あ、ああ!」



「うっ、うん!だっ、大丈夫だよ!きっ、気にしないで!!」



吃りまくってんじゃん。

本当に大丈夫かよ。



「あ!白石の下の名前は?」



声を上げると、緑川が思い出したかのように聞いてきた。



『……ん?』



なんで?

白石だけで十分じゃないか?

面倒だし。



「いや……ん?じゃなくてね。」



また自己紹介か。



「姫~!“ん”しか言わないよ~。」



「基本“ん”だけで会話なのよ。」



さすが姫だ。

俺をよく知っている。



「え!姫は、分かるの?」



「ええ、慣れよ慣れ」



「「すごっ!!!」」



俺もそれは同感だ。

自分で言うのもなんだが、普通゛ん〝しか言わないやつの考えなんか分かんないよな。



「ほら、自分で言って」



と姫に背中をどつかれる。

仕方ないか……



『……………仁』



「仁か………いい名前だな。仁って呼んでもいいか?」



「私も仁くんって呼んでもいい?」



コクンと頷く俺を見て、2人は花が咲くような笑顔を見せた。





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