第8話

ホームルームが終わり、ぞろぞろと生徒たちが教室を出ていく。



「直で帰る?」



『………ん。姫も』



「私も?分かった~」



トントンと肩を叩かれ、振り替える。

肩を叩いたのは、後ろの席の緑川。

隣には一緒に遅刻してきた青沼。



「白石!さっきは自己紹介遮っちまったみたいでごめんな!これからよろしく!」



手を出されたが、もしかしてこれは握手を求められているのだろうか……。

なかなか手を出さないのを見兼ねて、ぎゅっと無理矢理握手をさせられた。



「へへへっこれで友だちだな!てか、なんでフード被ってるんだよ!……あ!そっちの女の子も!よろしくな!名前は?」



「ええ、よろしく。青井姫乃よ。」



緑川の第一印象は、騒がしいやつ。

よくよく顔を見ると、そこら辺にいる女子よりも可愛い顔をしている。

名字の通り、髪も緑色だった。

身長は俺とあまり変わらないが、170㎝くらいだろうか。



「あ、あの!ひかりです!よろしくお願いします!」



俺と姫に勢いよく頭を下げる青沼。

緑川は姫とも握手をしてから、青沼の横に立つ。



「ええ、よろしく。」



「あの!姫ちゃんって呼んでいい?私のことはひかって呼んでください!」



「俺のことは亮太でいいからな!」



「分かったわ。あと、ちゃんとか要らない。姫でいいから。」



「「本当(か)!?やった(な)!」」



この自己紹介の間、俺は緑川と握手した手をただただ見つめていた。

そんな俺に恐る恐る青沼が話しかけてきた。



「白石くんも、よろしくね!」



特に興味を示すことなく、視線だけはそちらに移す。

青沼の第一印象は、礼儀正しいやつ。

こいつも緑川に負けず劣らず可愛い顔をしている。

身長は150㎝あるかないかくらい。

ふわふわの栗色の髪は癖っ毛なのか、触り心地が良さそうだ。



無意識だったんだと思う。

気づいたら俺は、そのふわふわの髪を触っていた。

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